最高裁判事の国民審査では一人を除いて全部×をつけました
いや、だって戦後生まれの人が一人しかいなかったから。
だって、すごい大変な仕事だよ。
今55歳とかなら、今から10年お願いします、とも思える。
けど、今65歳の人に10年お願いしますってのは間違ってる気がした。
祈ることの他に教えるべき事はある
末っ子の終業式が終わると、食育とやらの一貫で子供が学校で育てているミニトマトの苗を取りにこいと学校に言われる。
日当りのよい場所に置かれていた事は知っているが、持ち帰られた苗はひょろひょろ。葉数も少なく節間が長い。バリバリ現役で光合成を担うはずの成熟葉は黄変萎縮し、展葉が完了する前に半数はすでに落葉して痕跡になっている。
真ん中の子のミニトマトもそうだった。おまけに成育中に一度折損して脇芽から成長させてもっと成長が悪かった。
コドモは、きちんと世話をしないからだと言われ、毎日真剣に祈りながら水をあげていた。
祈りの効果を信じていない僕は、水のやりすぎによる根系障害を疑い、あらかじめ僕の汲んでおいた水を使うように言い、給水量を把握したが、適切な水量を与えており、異常はなかった。
一週間で黄変はますます進行した。
一カ所にまとめすぎてナス科にありがちな連作障害で、菌類病になったか、pH不適合か?
二週間、ほとんどの葉が落葉、花の一つもつけないまま枯死するのは時間の問題と思えた。
いろいろ考えてじっと葉の枯れ方を観る。菌類病やモザイクウィルスの兆候はない。
もう一度全ての仮定を排除して観察する。
んー.....これは.....まさか......とんでもなく重症のカリウム欠乏じゃ......
試みに液体即効肥料を100円ショップに買いにいき、汲み置きの水に1000倍希釈になるように投入した。
劇的な効果! 翌日から黄変の進行が停止した。
一週間、みるみる元気になるトマトをみていると、どんどん芽を付け、新たな展葉もちゃんと緑色を保っている。
大丈夫だよ、これで枯れないよ、と子供に話した。
これまでの成長の遅れは取り返すすべもなかったが、何とか真ん中の子と鳥さんに数個づつのトマトが収穫できた。
.....しかし、なんでだ?
食物を得るために親子で苦労してみて、後で種明かしがあるようなタイプの教育方針なのかと思ったら、「ちょっとしかとれなかったのは残念でした」だけだった。
カリウム欠乏では作物が生育できないなんてのは、義務教育レベルの知識だ。誰でも知っていることになってる知識だよ。化学肥料で簡単に食い止められるし、有機でやりたければ木灰を混ぜた腐葉土や掻きとりの表土を使えばいい。
毎日水をやる事や、様子を観察する事、そういう労力を乗り越えて収穫に至る事が目的だったのだろう?成育不良なんて教師が実験用の鉢でやってみせればいいじゃないか。
なんで土で手を抜くの?
ミニトマトは水だけで育つ生き物じゃないよ。
本当に小一時間問いつめたくなって、怒ってしまったので、もう先生になんか言うのはやめにしといた。それを口にすれば、その時の私は多分怖い顔をしているし、先生もきっと萎縮してしまう。*1
というわけで下の子のトマトの鉢は、うちに持ち帰られて2日の観察の後、「カリウム欠乏/窒素不足/リン酸不足」を宣告され、ごくわずかの速効性肥料と鉢周りに適応した緩効性肥料を与えられて、茎の生育不良による折損防止のために支柱を添えられてはいるものの元気に育っている。
今年は残念な事に、特定の教員の問題ではない事が明らかになったわけだけど、先生になにか言うかどうかはゆっくり考える事にする。
*1:保育園の先生は泣かせた事がある。先生たちが善意だった事は認めるけど、それが幼児には命に関わる事だったからだ。
経団連の意見に批判的な理由 その2
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/026.html
について、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090406/191133/
日本経団連は3月17日に生物多様性宣言を発表した。経済団体が生物多様性を打ち出すのは初めてのことで、4月2日には滋賀経済同友会も続いた。トヨタやリコーも自社戦略を策定した。産業界の本気度が試される。
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/026.html
多様性の議論の端緒は20年ほど前、1980年代末。そこから92年のリオデジャネイロ宣言が出てくる。
そのころってのは第二次臨調の後を受けて、臨時教育審議会が編成されていた。大学は財界から儲かる研究への傾斜と学生増と大学院大学化と予算のマイナスシーリングを求められた。生物のマクロな議論が出来る講座をどんどん閉鎖し、僕のいた大学も分類学と生態学の講座を閉じた。教員数の抑制と教養学部の廃止で生物を教えられるポストはどんどん減った。*1
今じゃ国内の植物種の同定が出来る人は希少だし、国内の昆虫で同定が進んでるのはマニアがいる分類群だけ。新種の標本を受け入れられる収蔵庫すら十分にない。収蔵庫が足りてるのは「分類が出来る学者」が絶滅寸前だからで、現状の我が国で種の多様性が失われたどうかわかるための「種」の知識すら失われつつあるかのように見える。
以上を経験した後で以下をお読み下さいませ
7.生物多様性を育む社会づくりに向け率先して行動する
私たちは、生物多様性に関する深い認識のもとに、社会とのコミュニケーションを図りつつ、率先して生物多様性に対する社会的責任を果たすことにより、持続可能な地球社会のために貢献する。
私たちは、以上の7原則を尊重し、生物多様性のために一層固い決意で取り組むことをここに宣言する。
7.生物多様性を育む社会づくりに向け率先して行動する
1. 7−1 従業員に対する自然環境教育を、地域社会、NGO 等と連携して、積極的に実施する。
2. 7−2 社会全体の生物多様性を育む意識の向上に努める。
(一部改訂)
生物多様性の問題に遅まきながら目覚めたのは歓迎すべきだと思う。
しかし、あなた方自身がジェノサイドやったあとだと思うんですが.....
*1:そういう事を学べる学生が増えたのはエコブームの時代になってから。
経団連の意見に批判的な理由 その1
古い記憶が曖昧なので間違ってるのかもしれない。
合併前の経団連が「医療の需要が高まるから供給を絞る」事を政府に要求
↓
第二次臨調として政府の中に経団連を組み込む
↓
国策として「医療従事者の人件費を中心に医療費を圧縮」「新規医師数の強力な抑制」
↓
設計通りに
「医療が需要に対応できない」「医療従事者になりたがらない」
方向の変化が起きて現状がある。
そんなひとたちが
(2) 医療分野では、産科・小児科・救急医療の建て直し等を急ぐ。ICT(情報通信技術)の活用、標準化・包括化、後発医薬品の使用促進等を通じて、医療の効率化を図る。また、患者の選択による保険診療と保険外診療の併用を進める。介護については、介護従事者不足の問題を重視し、早急に解消する。
高齢者医療・介護の財源については、今後の高齢化の進展を踏まえ、公費投入割合を高めていく。この観点から、当面の高齢者医療制度の見直しにおいても、前期高齢者を含めた包括的な制度設計とし、公費を重点的に投入する。
はぁ?
もちろん、臨調は当時国民が支持したから責任者として国民が責任取るしかないんだけどさ。民主主義だし。だから今うまれてくる人たちにはもうちょっとなんとかならんか、と思うけど、当時参政権を持ってて、熱烈な臨調支持者だった人たちには全然同情しない。