パイを分けてください

http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20061118#p2
↑で出した河井寛次郎氏と永六輔氏の会話から市場とデフレとパイの切り分けについて考えた一例です。元記事を書いた時に考えてたのはこんなことでした。

この清水三年坂の市場で売買された物は蕎麦猪口です。
蕎麦猪口の最終消費者である永六輔氏は、1万円出しても良い、と言っていますから、その蕎麦猪口の消費価値は1万円であるとしましょう。
そうすると、パイの大きさは全体で1万円相当分あるわけです。
ところが、売り手の土産物屋はこれを500円で売っています。
したがって、このまま500円でこの蕎麦猪口が売買されてしまうと、一万円のパイは土産物屋に500円、永六輔氏に9500円で分配されます。
 そして、さらにその500円から土産物屋が250円とり、残りの250円を窯元に支払い、窯元はコストを200円かけてて、残りの50円のうち5円が若手陶芸家の手に入れる報酬だったりするわけです。付加価値のほとんどは最終消費者自身が丸儲けして、おそらくその蕎麦猪口の味わいを産んだ主役には5円しか分配されない。そういう事が普通に起きてるわけですね。

 最終消費者にとってパイの大きさは1万円であるにもかかわらず、GDPで計れるのはたった500円。
 ちょっと極端な例かも知れないけれど、このようなバランスの悪いパイの分け方が広がって食べきれないほどパイは大きいのにパイ職人がやせ細っていくのが物価下落とか、デフレっていうんじゃないのかなぁ?