私的戦況報告

私が過度に人の心配をする時は、実は自分に心配事を抱えている事が多い。具体的に書いちゃうと身元バレに繋がるので、本石町日記(http://hongokucho.exblog.jp/6081852/)さんが紹介していた「今の仕事を戦場の一シーンに置き換えてみるスレ」風にここ10年ほどの戦況報告をしてみる。http://p2.chbox.jp/read.php?host=hobby7.2ch.net&bbs=army&key=1113234470&ls=all

  • 我が軍は歴史的な大敗北を喫した。身も心もぼろぼろだ。もう戦場なんて見たくない。でも、自分の能力を活かせるのはやはり軍だろう。転属願いを出してみるか.....
  • 転属が決まった。新しく就任する偵察目的に特化した潜水艦だ。前線にあって敵の戦略を察知し、敵の作戦をくじき、味方の被害も最小限にする。今のおれにはぴったりの仕事だ。艦長に内定した人(作戦の意義を司令部に具申して、ここまでもってきたやり手らしい)が、下士官に過ぎない俺の耳のよさにほれて直接会いにきてくれた。たしかに、今の我が軍に俺以上の耳をもつ水測員はいないだろうって自信はある。そしたら、士官候補扱いで水測長だってよ、新艦では実力主義なんだそうだ。作戦会議にも出られるらしい。
  • どうも軍全体が疲弊している気がする。おかげで作戦会議はいつも紛糾。艦長が士官たちのつるしあげにあってるように見えるなぁ。
  • 今日の作戦会議の議題は「補給」だった。補給艦隊が「なんで戦果も上げてない艦に補給が必要か」って騒いでるらしい。困ったね。
  • 燃料不足で作戦行動時以外も非常灯以外の灯火が点灯できない。真っ暗な艦の中にいると不安感がつのる。
  • 沈痛な面持ちの艦長に呼び出される。「本艦の目的を阻害しない範囲で戦果を挙げる名案はないか」と意見具申を求められた。艦の能力から2、3の敵の戦略拠点を遊撃する事は可能と愚案を提示した所、しばしお考えになったあとで、「名案ですな」とのお答え。身に余る光栄。
  • 作戦成功、敵の進出を2年は遅らせる大戦果だ。危険な賭けだったし、久しぶりの前線に胃もいたんだけど、よかった。当面補給の心配をしないで済む。
  • 基地に帰投する補給物資がなくて漂流する友軍水雷艇を救援したりする事が増えてきた。我が軍はいったいどうなっているのか?
  • 耳を維持するための訓練機材も手に入らないし、ソナーも修理できない。しょうがないので自分流に改造したりしてみる。
  • このあいだ救助した水雷艇の艇長が上陸中に「いつまで生き恥をさらしている」と司令部の上官になじられ自殺したそうだ。戦果もちゃんと上げる優秀な士官だったのに....
  • 駆逐艦撃沈!水雷長に勲章がでるそうだ。「おいおい、ピンガーもうたずに敵艦の位置の特定に成功したおれの功績は?水雷長は俺の言う数字入れてボタン押しただけじゃん」と思わないわけでもないが、このご時世、まずは艦の功績が認められるのが大事。複雑な表情をしてるのに艦長が気づいてこっそりあとで呼び出されて褒められた。ま、いいか。
  • 艦長が軍法会議にかけられた。不名誉除隊にはならなかったが、除隊はさけられないような雰囲気。なんてことだ。作戦遂行能力に難があり、独断で無理な作戦を指揮する傾向が強いとの分析が航海長から司令部に極秘裏に上がっていたらしい。航海長さんよ、おまえさんを巻き込まないために、無理な作戦をする時には、艦長は独断されるのだよ。
  • 後任の艦長はこない。一度も上艦した事のない陸上勤務の将官が兼任するらしい。艦を司令部直属にするそうだ。
  • とりあえず、航海長と司令部との連絡将校が指揮権を握る事になったらしい。挨拶に行ったら「君は前艦長派だから、行動には十分気をつけるように」と言われた。やな雰囲気。
  • 部下の水測員が交代するので、航海長に補充人員の予定を伺いにいったら、「補充はこない」だって。聞いたら航海長の部下を増員するために水測員を減らすって航海長の案が司令部に出たあとだった。「どうやってこの艦の目的を遂行するのですか?」と食い下がったら、「貴様、上官に歯向かえる身分か?何様だ」と怒鳴られた。士官候補の身分と作戦会議への出席を停止するそうだ。明日から機関長の部下だそうだ。
  • しかし、ちゃんとソナーをはり、戦果を出さないと、この艦は沈む。そしたら俺だって海の藻くずだ。自分の仕事だけは一所懸命にこなそう。交代要員はもういないのだ。俺ががんばらなきゃ。
  • 司令部が、特攻を計画しているらしい。艦の戦果はそれなりに上がっているから、作戦参加を命じられるかも知れない。
  • 久しぶりに上陸して司令部に顔を出した。昔の知り合いはみんな窓際に移ってる気がする。上げた戦果をほめられるが、艦が上げた最大の実績は友軍の被害を最小にとどめている事なのに。ちっともうれしくない。士官たちはみんな、どのような戦果を挙げれば現政権が次の選挙に勝てるかを話し合っていた。腐ってやがる。
  • 司令部が特攻作戦を遂行するために、編成替えをするそうだ。潜水艦群はすべて統合参謀本部に吸収され、士官は全員艦所属ではなく、参謀本部づきになって作戦行動時は同乗しなくなる。いったい俺たちに何をしろと?
  • こんどの上陸で、連絡士官殿が退任される。ちょっとだけ話をした。「君の才能には一目置いている。このへんで国や、軍のことなど思い悩まず、自分自身の事を考えてはどうか」と諭された。今仕事を投げ出せばこの艦は沈むのだ。それに、軍を出て俺に何の仕事があるのか。(←いまここ)