一般論では公道での撮影は禁止されていないが、自由ではないように思う。

「公道での撮影は自由」情報の流通に、ちょっと引っかかっている。

道路交通法上の道路*1で、特別の権利や規制が及んでいない場所*2では、「通行するついでに写真をとる」のは確かに規制がみあたらない。が、撮影目的で道路を使用する場合は道路の「通行目的以外の使用」になるような気もする。
道路の目的外使用は許可制で、別に禁止規定ではなく、目的外使用の無限定な実行を抑止するための制度だと考えている。*3
もちろん、他の交通の邪魔にならない小規模な撮影なら目くじらを立てるほどの事はないのだろう。しかし、「無限定の目的外使用」は許可申請という形で法的に抑制されているような気がするのだが。

具体的な規制内容は都道府県公安委員会ごとに違う。
http://www.police.pref.kanagawa.jp/mes/mesf1016.htm
許可申請についての解説は、神奈川県内の場合は↑になる。
ストカーなどの場合、大規模に撮影目的に道路を使用するので、道路交通法第77条第1項の「道路上での作業」として、または、4項/神奈川県道路交通法施行細則第17条(7)の「ロケーション」としての許可を得てやったほうが無難だろうと思うがどうなんだろう。そのへんはよくわからない。判断を仰いで許可申請不要となったのかも知れないし、申請して許可されたのかもしれない*4

 googleの顧問弁護士の話を広報が理解した範囲で話して、「公道上からの撮影は規制されていない」のような断片的な情報が流れてるのは問題を感じる。「ストカーのような事例」についてはよおわからんのだが、一般的には「公道上での撮影」は「禁止されていないが警察の許可を得る必要がある」なんだと思う。

「お巡りさんから見た時にどうみても許可が必要な撮影なのに申請してない」なんて残念な事例が出ないように祈っている。

p.s.
例の公園墓地では公道*5上にもお墓たってますよね。*6
条例の効力が及ぶかどうかに、「公道上かどうか」だけでなく、「実態として墓地と一体的に管理されているかどうか」も考慮されてるといいな、と思います。*7

追記:
道路交通法許可申請リストにないから規制がないわけではない。広告車輛の運行がリストアップによって拡大したように、むしろ、リストに乗っている事で、申請すればスムースに許可されると考えた方がいいと思う。

追記2:
公道の無断使用の罰則は「三月以下の懲役又は五万円以下の罰金」である。
漫然とhttp://takagi-hiromitsu.jp/diary/20080923.html#p01を読むと、墓地内の方が敷地の目的外利用の規制が厳しいように見えるが、実際には公道上の方が厳しいと考えた方がいいだろう。おそらく「公園」墓地という性格上、敷地の目的は単一でなく、ある程度許される行為の幅が広くなくてはいけないという事によるのではないかと思う。公道上では、「一般の通行権」の優先が決まっているので、より厳しい規制となるのではないか。

追記3:
墓地敷地の目的外利用を事前に届け出て判断を仰ぎ一定のコントロール下に置く事が条例の趣旨だろうと思うので、該当するかどうかよくわからない商用の行為は届け出て判断をあおぐのが基本だろう。撮影した写真を公開してるかどうかは、違反の有無に関係ない。高木氏の紹介した事例は削除するしないに関係なく処分を検討すべき事例なんだろうなぁ。

*1:公道/私道とは別の概念

*2:想定しているのは「道路交通法上の道路」で、かつ、「道路法上の道路として路線認定され」ていて、かつ、「権利関係がすでに整理されて供用されている」ような道

*3:敷地としての場所を占有する話とは概念的に別の話。そちらは「道路占用許可」。

*4:申請の手間をかけてたら、まず私道に入り込んだりはしないと思うけど。警察官はいろんな権利に立ち入らざるをえないので、私道とか公道とかよく知ってます。

*5:道路台帳の認定路線

*6:おそらく、古い時代に道路認定されて国有地となり、市町村移管されてまだ整理がついていない里道の敷地

*7:公道と墓地は排他的ではないので、そうじゃないとかなり乱暴な話で困った事だよねぇ。