経団連の意見に批判的な理由 その2

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/026.html
について、
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090406/191133/

日本経団連は3月17日に生物多様性宣言を発表した。経済団体が生物多様性を打ち出すのは初めてのことで、4月2日には滋賀経済同友会も続いた。トヨタやリコーも自社戦略を策定した。産業界の本気度が試される。

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2009/026.html


多様性の議論の端緒は20年ほど前、1980年代末。そこから92年のリオデジャネイロ宣言が出てくる。

そのころってのは第二次臨調の後を受けて、臨時教育審議会が編成されていた。大学は財界から儲かる研究への傾斜と学生増と大学院大学化と予算のマイナスシーリングを求められた。生物のマクロな議論が出来る講座をどんどん閉鎖し、僕のいた大学も分類学生態学の講座を閉じた。教員数の抑制と教養学部の廃止で生物を教えられるポストはどんどん減った。*1

今じゃ国内の植物種の同定が出来る人は希少だし、国内の昆虫で同定が進んでるのはマニアがいる分類群だけ。新種の標本を受け入れられる収蔵庫すら十分にない。収蔵庫が足りてるのは「分類が出来る学者」が絶滅寸前だからで、現状の我が国で種の多様性が失われたどうかわかるための「種」の知識すら失われつつあるかのように見える。

以上を経験した後で以下をお読み下さいませ

日本経団連生物多様性宣言<宣言>

7.生物多様性を育む社会づくりに向け率先して行動する

私たちは、生物多様性に関する深い認識のもとに、社会とのコミュニケーションを図りつつ、率先して生物多様性に対する社会的責任を果たすことにより、持続可能な地球社会のために貢献する。

私たちは、以上の7原則を尊重し、生物多様性のために一層固い決意で取り組むことをここに宣言する。

日本経団連生物多様性宣言 行動指針

7.生物多様性を育む社会づくりに向け率先して行動する

1. 7−1 従業員に対する自然環境教育を、地域社会、NGO 等と連携して、積極的に実施する。
2. 7−2 社会全体の生物多様性を育む意識の向上に努める。

(一部改訂)
生物多様性の問題に遅まきながら目覚めたのは歓迎すべきだと思う。
しかし、あなた方自身がジェノサイドやったあとだと思うんですが.....

*1:そういう事を学べる学生が増えたのはエコブームの時代になってから。