民間社団を「生活保護」する必要はあるのか?

 今朝のニュースで最低賃金の話題が出ていた。
 飯田先生の本(http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090816#p1)でも最低賃金の話題があって、今ひとつ消化不良な感じがしてたのだけど、つらつら考えていた事を書きおいておく。

 最低賃金の水準が「健康で文化的な最低限の生活」を維持するのに必要な額(時給1500円くらいかな?)を下回っている現状をどうみるか、ということなんだけれど......

 飯田先生は特に地方では生活維持水準に近い最低賃金では成り立たない企業が多い、というのを心配しておられた。

 最低賃金以上、生計維持水準以下で大学生を雇用している居酒屋さんってものがあったとして、その大学生の労働時間に見合う分の生計費の不足分を補填してるのはその大学生のご両親の仕送りだったりするわけでしょ。
 つまり、居酒屋にご両親が貢いでる状態。バイトして自分の力ではした金を稼いでるんじゃなくて、実態は「ご両親の稼いだ仕送りを居酒屋に払ってる」わけ。

 視点を変えてみれば、そういう企業は、家庭なり、地域社会なり、公共なりの社会が支えて企業を経営する社団*1の存続を保護してる事になる。
 ○ニクロとか▼タミとかセブン&▽イとか、そういう人件費ローコスト*2企業のビジネスモデルって、得られる利益が「企業の維持水準+従業員の生活維持」を下回っていて、「社会による経済的支援を得られる事」を前提にした寄生的なモデルなわけだ。
 はっきり言えば、社会のお荷物のゾンビ企業って事になる。

 東京で見てたってこの手の公共の負担への寄生的ビジネスモデルは蔓延しまくっていて、他のビジネスモデルを駆逐していってる。
 コスト削減っていう事で、飲食店も流通も建設業も役所の窓口や学校や図書館などの役所までそれにどっぷりつかりつつある。
 これ、社会全体ではすごいコスト負担ですよ。政府が生活保護に出してる資金なんて無視できるくらいだと思う。

10年かけてでも、最低賃金は今の倍くらいの水準にもっていかなきゃダメなんじゃないかな、とは思う。
もちろん、これ、どうやればそうなるのか、なんてアイデアはないんだけど、現状が絶望的な状況って事だけは理解している。

*1:出資者+経営者だと考えてる

*2:少数の高給取りの社員で回せるようにする、というのは別ね