まじでメリットがわからない年金債権の放棄
えー、日航の企業年金積立て不足の放棄がマスコミで伝えられているところですが、これ、額面通り応じるとすると、企業年金は社債や借入金より履行の優先順位の低い債務である事を認める事になるよねぇ......
他の債権者の放棄率に比べて高い放棄率だし、企業年金の「積立て不足」というのは社債や融資と違って、「すでに支払い期限が過ぎている債務」であることも考慮されてないし、企業年金は双務的な労働契約の対価*1であって、債務(労働)を果たしたあとで使用者が一方的に債務を減じる事はできないという過去の裁判の結果*2とも矛盾する。
仮に3000億→1000億の債務圧縮に応じたとして、その1000億って
- 再建されるかどうか不透明な日本航空の
- 支払い期日はとっくに過ぎているのにいつ支払われるかわからない
- 一般債権よりも履行の優先順位の低い
額面1000億の債権になってるわけだよねぇ。
そのジャンク債、額面1000億で実際の価値いくらあんの?
こんな再建案を、会社に一番金を貸してる金融業者であるところの日本国政府*3が作って持ってきて、納得しろって言われたら、そりゃ普通は、「倒産した方がまし、債権者集会で会いましょう」って考えるんじゃないかなぁ。