本屋について

僕が家を買う時に条件にしたのが、徒歩圏に駅があり、駅の近くには本屋と喫茶店があることだった。
本屋さんについて、いつも巡回しているブログで言及されていた。
http://matimura.cocolog-nifty.com/matimulog/2004/12/bankruptcy_1.html
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20041227#1104085528
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本屋さんの経営というのは結構難しそうだ。
 1980年代まで、出版社、取り次ぎ、書店に至るまで、経営者の思想を表現する傾向がつよかったと思う。そして、雑誌類で稼いだお金で良好な書籍を流通させるという経営形態が成り立ってきた。あまりに通俗的な雑誌を自社で出版する事を恥じて通俗雑誌を営業の中心とする100%子会社を持つ出版社もある。
 中学生時代、本屋のおじさんに「そういう本を読むのなら、こっちも読んどいた方が良いよ、次にどうぞ」なんて言われたものだ。極端な言い方をすれば、青山ブックセンターは珍しい本屋じゃなかったんだと思う。
 今日、そのころと非常に様変わりしたのは、「一番売れるものだけ置く店」「一番売れるものだけ売る出版社」などが出現した事によって、経営のバランスが崩れだしたことだ。書店の話に限定すれば、最初は従来の書店より雑誌類の比重の高い書店ができ、既存の書店がそれに追従したが、それもコンビニエンスストアに圧迫されつつある(何が売れるか、書店より効率的に追求できるから)。
 そして、取り寄せをいやがり、本を売れる売れないもうかるもうからないで見る本屋が増えてきた。そこへネット書店の登場である。
 本当に厳しい時代だと思う。
 でも、書店は今必死になって自分の存在意義を見つめて脱皮しつつあるように見える。
今夜僕は午後9時40分に改札を出たが、まだ本屋さんは頑張って店を開けてくれている。アマゾンよりも丁寧に本を探して取り寄せてくれて、到着したらちゃんとメイルを送ってくれて帰宅時に受け取れる。
 でも、今ちゃんと生き残っている小さな本屋さんには、ちゃんと生き残るだけの何か、僕が本を買う時にアマゾンには払う気がしないけどその本屋さんには支払っても良いと思う何かがあったりする。
 そういうものを感じられる住民の住む町に住み続けたいと思う。


 本屋をぶらっと見て、気に入った本を入手し、喫茶店ではじめの部分を読み始める。そういう事が僕にとってかけがえのない幸福だったりする。