警察って管理組合が禁止しているビラ配りを逮捕してくれる?

共同住宅の管理組合等の役員を経験した人なら同じような感想をもつんじゃないだろうか。
ビラ配りではないけど、私の住む共同住宅の建造物内に毎日侵入して二輪車を駐車していた人があって相談した時も、警察は被害の存在を認知しない旨通告し、ナンバーも控えずに去った。
 もちろん、軽微な犯罪についていちいち取り締まるべきではないと言う事も出来るだろうし、詳細な法律知識を警察官すべてに求めるのも難しいだろう。
 しかし、明らかな違法行為を行っているにもかかわらず、共有部分への侵入などでは取り締まれないと警察官が判断する事例はテレビ等でも紹介されていて、けっこう多く存在するようで、中には管理権を主張した上での明確な告訴を不受理とするケースがネット上でも紹介されている。
 つまり、侵入の事実があった事が「違法かどうか」が問題なのでなく、通常は取り締まりを全く行わないような行為で逮捕したりする目的で、政治活動をする人を監視している人たちがいるという事が問題なんだと思う。犯罪の構成要件があるかどうかは逮捕や拘留をしたい人たちには関係ないと思う。刑法犯だろうと、廃止し忘れていた太政官布達違反だろうと、あればいいし、なくてもいい。
 大学に通っていた頃、大学の敷地内である宗教団体が騒ぎを起こした時に、「騒ぎに全く関係してない」学生の一人(あとで知ったが、彼は学生自治会長で、これから関係しようとしていたのかもしれないが)を「通報も受けずになぜか駆けつけた機動隊」が「あいつだ」といって逮捕してしまった現場に居合わせてしまったこともある。(私は騒ぎがあって大変な事になっていたので、通行できなかっただけなんだけど。)
 逮捕の直後、機動隊も、宗教団体もそそくさと帰っていった。機動隊の幹部の人に、その宗教団体が無料で配る新聞に大きな名刺広告を載せている人がいることは私も含め結構知ってる学生が多かったと思う。逮捕された学生は逮捕理由が明確にならないまま何日かして釈放されたみたいだが、正確なところは私にはよくわからない。令状なんて読み上げてないから、現行犯逮捕なんだろうけど、そうすると、「あいつだ」の意味が分からない。
 正直な話、それ以来、政府とかそういうレベルではなく誰かにとって都合の悪い発言や活動をしていると、逮捕されたりするのだなぁという認識でいる。(逆に私の知らない誰かにとって都合が悪くない犯罪があっても相手にしてくれなかったりする。)
 正当な事も、正当でない事も、匿名でやんなきゃならない人とか、匿名以外で活動するのが恐い人とか、いっぱい居ると思う。
 かといって、トレーサビリティがない完全な匿名がいいと思っている訳でもない。もし、権利の侵害が起きにくい、「恐くない」トレーサビリティを考えるとしたら、権力者の圧力を受けにくく、人材が多様で、法律知識が必要なんだから、複数の弁護士さんたちに国家よりも深く関与してもらえるような仕組みになるのがいいのかなぁなどと勝手に考えていた。
 だから、「アメリカも日本も、政府に都合の悪い発言を実名で行ったからといって、逮捕されたり暗殺されたりという社会ではない」という小倉先生の発言はショックでした。もちろん、この一文だけを取り出して小倉先生の真意を示すものとするのは妥当ではないだろうし、法律知識のないものには読めない事もあるのでしょう。だからショックだったというところで思考停止しています。
 なお、レッシグ教授の意見の引用部分の結論については納得のいくもので、紹介していただいた事に感謝しています。