うちの設計者はだれだろう?

 僕は中古マンションを購入して住んでいる。ローンを組んで元利均等で払った方が家賃を払うよりはるかに安かったからだ。購入を決めた時には、デフレがそろそろ終わるだろうと予測していたってのもある(デフレは貸し手の味方、インフレは借り手の味方だから)。
家を借りるのに比べて、買うのはリスクを自分で引き受けるって事だ。自分に基礎的な収入がない事はわかっていたから家を選ぶ時も普通の人以上に時間をかけていろいろ調べた。
 調べたつもりだったのだが、うちの設計をした会社がどこかは全然知らない事に気がつかされた。

 設計者がわからなくても、名前は違うが意匠構造ともに類似した物件がたくさんあり、いずれも新耐震基準適合で、うちより新しいのもあるから何か問題があるとは思わないけど...
 でも、今回の偽造事件でちょっとだけ設計した建築士の名前と構造計算書を作成した建築士の名前、事務所の名前だけでも知っておくべきだったかなぁと思った。

 契約前に気にしたのは次のような事(*は買い手側専任仲介者である不動産会社に調べてもらった)なんだけど、設計会社は知ろうとも思わなかったみたいだ。

  • 新築分譲時のパンフレットなど*
  • 新耐震か旧耐震か(建築確認の日付)*
  • 完成検査を受けているか*
  • 新築時に公庫融資の優良住宅融資の対象になっているか*
  • 間取り図で確認できるレベルでの柱の本数と太さ、構造壁量
  • 壁面の亀裂と塗装の状態
  • 排水不良と結露の痕跡
  • 大規模、小規模の修繕の状態
  • 新築時の施工会社*
  • 管理規約*
  • 修繕積立金の状況*
  • 近隣との約束事*

不動産屋にとってうるさい客で、やる気のある主任が居たから「不動産屋の目で見て駄目な物件は売れない」って覚悟してもらったみたいで、今まで気がついた瑕疵は一つだけかなぁ。調査不足ってことで不動産会社に対応してもらった。
#が、その過程で市役所の建築指導課が滅茶苦茶な法律解釈をして指導している事もわかったのだが.....

構造計算書を偽造した建築士への最高50万円の罰金が安すぎる、立ち直れないような罰を与えるべきといってる大臣がいるみたいだけど、かなりうるさい客だった自分でも、設計した建築士ではなく、コントラクターとしての施工会社の名義で物件を信用して買っているし、もうちょっとうるさくてもせいぜい監理会社までしか見なかっただろうと思うので、なんとなく「最高50万円の罰金」程度の話なのではないかと思ってしまう面もある。