ありがちな誤解

なんかね、森林があれば二酸化炭素を吸収してるってのは(専門外の科学者も含めて)一般の人にありがちな誤解なんだよね。*1
森林は成長をやめたら大気中の二酸化炭素を固定しなくなる。*2
成長をやめるってことは、生産と消費がつりあうってことで、極相ってのは、森林が成長して、優占する樹種の交代があって、それも終わったら最後には成長しなくなるってモデルだから。

太古から人の手がはいってない自然林があったとしたら、分解速度がある程度以上速い温帯以南ではほとんど二酸化炭素を吸収してないはず。*3
自然の熱帯雨林二酸化炭素の吸収力を評価されてるんじゃなくて、その巨大な蓄積量を評価されてる事が多い。

二酸化炭素を森林で吸収させたければ、樹木を伐採して林産物を取り出して、二酸化炭素を放出しない形で使用して、森林を再成長させることになる。
だから、材木輸入が自由化される前の木をいっぱい伐採していた仙台と現在の仙台では比較にならないほど二酸化炭素吸収量が違って当たり前なんだよね。

*1:ただし、高校理科1程度の知識と想像力があれば誤解を解くのはさほど難しくないと思う。

*2:厳密には森林の地上部への蓄積と脱落がつりあう。脱落した部分のうち分解されずに地中に蓄えられた部分だけが固定される

*3:極相モデルは現在ではほとんど支持されてないけどそれに代わるパッチダイナミクスモデルでも同じ