道路整備は均衡予算だっけ?

本筋は、それほど変に思わなかったけど、ちょっと気になった。
http://d.hatena.ne.jp/econ-econome/20080331/p2

1.均衡予算(徴収した税と同額の公共事業を行う)を前提とすれば、

???国の道路整備は均衡予算(100%特別会計依存)に近いけど地方は均衡予算じゃない(だいたい50%)よねぇ。
参考:
http://www.mlit.go.jp/road/zaigen/data2.html
http://www.mlit.go.jp/road/zaigen/data3.html
それから、財源を呼び水にして公共への土地の無償提供ってのは結構多いんだけど、それって額面に出てこないよねぇ。

2.道路特定財源で集められた税金すべてが道路建設に使われているわけではない。非効率な分野に投下されれば、道路建設の効果は税金分以下になる。

これも????
それでも特定財源は主に道路建設に使われて、建設された道路は交通だけに使われてるわけではない。電気、ガス、上水道、下水道、排水、電話、データ通信ほとんどのネットワーク系インフラは「道路を使って」いる。だとすると、

道路投資よりも民間の設備投資の方が生産力効果は大きい。

という環境を作る条件の一つなんじゃないかなぁ。で、投資回収に貪欲でないから数字に出て来ない気がする。もちろん、今後投資して行く意義は逓減しているだろうから、ちゃんと調べないとダメだけど。*1

もちろん、受益者負担で整備された道路が全てのインフラを抱え込んでいくという考え方には賛成でない*2んで、何らかの変化を求めているわけだけど。

自分の求めている変化は、

  1. 外部経済とのバランスのための自動車利用者負担(ピグー税みたいな)の実現
  2. 都市/交通インフラ整備のための一般財源
  3. 自動車利用者への実質的補助の停止

の三つかなぁ。

3番目は今の特別会計
a)ある交通行動をしようとした時に、自動車を利用しなかった人から利用した人に補助金を出すシステム
b)消費行動に自動車を利用する人から、営業用に自動車を利用する人に補助金を出すシステム
c)重量の軽い車両を利用する人から、重量の重い自動車を利用する人に補助金を出すシステム
を内包してるのを解消して欲しいなと思っているって事ね。

:コメント欄での指摘を受けて追記
おおまかな所ではecon-economeさんに同意なんです。でも、「国道に歩道をつけるのに土地を供出して、工事費用の1/2が特定財源」みたいなのはやっぱ乗数1なんだろうか?地方の道路については「特定財源の規模に応じて」こういう事をやって来ているはずなんだけれど。

高速道路を地方に作った経済効果って、その地方が田舎であれば、近くの大都市などに出るんじゃないのかなぁ、と思います。例えば一つのパン工場の商圏が広がるとかの形でね。前にも書いたけど、交通投資の効率を支線レベルで考えるというのはなんかよくわかんなくて。
 道路投資に追いつくほど民間投資がない、というのは実感でも同意です。

私は道路族じゃないんで、道路建設を継続して欲しいとは思ってません。
ただし、自動車に対するピグー税的なものはむしろ強化して欲しいくらい*3なので、一般財源にして、老人医療費でもなんでもつっこんで、その分健康保険を値下げしてくれる方がありがたい。

*1:長距離電話会社が3社になった時新規参入二社が「道路」と「鉄道」だったのは憶えてる。

*2:自動車交通が全てのインフラ整備に優先する状態は望ましいと思ってない

*3:我が国の呼吸器疾患による死亡は喫煙の影響を取り除いても非常に多いし、大気汚染の原因は現在では主に移動汚染源です。