プロ(プロフェッショナル)かプロでないか

http://blog.livedoor.jp/dankogai/archives/51036911.htmlを受けたroi_dantonさんhttp://d.hatena.ne.jp/roi_danton/20080419#p1のコメント欄に乱入してみる。

仕事を報酬にして、得た報酬に満足できないのはプロじゃないと思う。親子夫婦はアマチュア仕事ですらない。
 それは生きていくという事そのものだし、生きていく者同士の関わりには命がかかるし、生きていくのは世界の前提に過ぎない気がする。
 ただ、生きていく事で報酬があり、それに満足したらプロだと。
 元記事はアマチュアという事をバカにしてるようだけれど、アマチュアだって尊い仕事はたくさんある。

お返事も頂いたのだけど、自己弁護みたいな事のために引用するのも気が引けてしまった。


例えば、牛丼屋やチェーン居酒屋のバイトくんはプロだろうか?

いずれも店内にバイトくんしかいない時間があるのは珍しくない。
 で、例えばバイトしかいない時に、店内で未成年が飲酒したりすれば、責任者として刑事罰を受ける。報酬に満足せず、そんなの給料に入ってない仕事だと抗弁して争う事は許されるだろうけど、報酬に満足してその仕事をやっていたのならプロとして扱われるのが当然だ。
 調理や接客の技術や内容に関係なく、他にリスクを引き受ける人が居ない状態でリスクを引き受けるのだから、まさにプロの仕事だろう。
 この場合の相手は客ではなく、運営会社になるわけだ。訓練に時間がかかり給与も高いフロアマネージャーの代わりにバイトくんをとっかえひっかえすればそりゃ都合がいい。

 バイトくんにはそんな仕事を引き受けたつもりはなかったとしても、都合がいい事実は残る。月給25万のフロアマネージャーの仕事に時給950円で挑んだバイトくんはプロとして責任を負って退職する。フロアマネージャーの職にダンピングで臨んだ結果だろう。

 中の人がどうであれそれは中の人の都合であって、プロとして責任を取らなきゃいけない立場に居るのはバイトくんだけ。中の人の都合なんて関係ない世の中の人はバイトくんをプロ扱いしなければしょうがない。

 世の中はプロだなんて自覚がなくたってプロな仕事はたくさんある。見えないリスクを引き受けてるプロはリスクが見えない故にプロ扱いされない事だってある。
 だから本人にプロとしての自覚があるかないかにすら依存せずにプロなんだと。なんらかの仕事を引き受け、なんらかの責任や義務が生じている。それはプロなんだと。
 だからパートタイマーや非常勤職員はプロだ。ノンプロ*1野球の選手には野球をする事を条件に報酬を貰っている以上野球のプロの人たちがいる。

 一方でアマチュアとは何かって事にも触れておくと、プロの写真家よりいい写真を撮り、写真での稼ぎの大きいアマチュア写真家だっている。ウィリアム・マイナー元アメリカ陸軍軍医はおそらく人生を賭してOEDの編纂に尽くしたが辞書のプロではない。彼らは自己の都合を優先してるからアマチュアなのか?違うだろう。

 プロフェッショナルかそうでないかは社会の事だ。元記事の「公理」は自己中心的に個人の事を語ってるだけだと思う。

*1:ノンプロフィットであることは職業でない事を意味しない。