あこがれの人に会う

久々に自転車に乗って山の方へ。
東京都の市部ではあるけれど、40分もこいでれば十分山の中。

適当に疲れた所で引き返し。

そこに農家の無人販売所があるが、今日は無人ではない。
横に男性がいる。見た感じは昭和10年代前半生まれっぽい感じ。

私は小ナスの漬け物100円*1を手に取って、お金を入れる。
ちょっとしたためらいのあとで、
「ありがとうございます」
と言われたので、
「いつも楽しみにしてます。運動不足で自転車に乗ってますけど、ここで買い物するのが楽しくて。」
と話しかけてみる。
「すごい自転車ですね、何段あるんですか?」
「18段ありますけど、重なってるので実質12段くらいですね。」
とか話してるうちに、ふと作業衣のSという名字が目に入った。

近郊野菜のコーナーで名前入りで良く見かける名字だった。
ひょっとして?と思って、
「Sさんって、○○の農協とか、××に野菜を置いてらっしゃるSさんですか?」
と聞いてみると、
「あ、うん、そう。そんな事言われた事なかったけど。」
ちょっと照れたように返事がある。

実際、冷蔵庫の野菜室に置いておいてもおいしく食べられる期間が長いし、ちょっと気になる名前としてSさんだけは記銘していたのだった。

そういう意味ではあまたの署名入り野菜の中で、Sさんの野菜は私のアイドルというところだろうか。
「Sさんの野菜、おいしいし、扱いがいいから、お名前を憶えてました。」

すごく照れられた。

 私は黄色いヘルメットに黄色いシャツという超目立つ服装だし、そんなふうに盛り上がってくると、なんだなんだと車が止まり、人が集まってくる。
あっという間にお客さんが増えたのでSさんは忙しくなってしまった。

「また来ます、楽しみにしてます」

そういってその場を離れた。

*1:スーパーなら250円、特売で180円くらいだろうか?田舎の直売所だと5倍の量が入って300円