土地の値段について

http://d.hatena.ne.jp/Baatarism/20090523
で紹介されていた記事だけど、
なんかすごいいいかげんな気がする......隅氏の主張は部分的にはすごく首肯できるのだけど、竹森氏が入れる雑音*1がすさまじいのだろうか、部分的に隅氏が引いている気がする。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090514/194680/?P=1

竹森 隈さんの著書『負ける建築』を読んで、建築規制であるゾーニング法(注:その場所で建設できる建物の種別とボリュームとをあらかじめ設定し、制限する法制度のこと)という概念に衝撃を受けました。ここにこそ住宅バブルの原点があると感じたのです。
 つまり、この法律のおかげで供給が限定されるようになったからこそ、住宅の資産価値が保証されることになった。普通は需要が増えれば、供給も増えて価格が下がり、住宅投資は儲からなくなる。ところが、供給が限定されているので資産価値が生じる。

都市への住宅床面積の供給にまず必要なのはインフラストラクチュアじゃないんですかねぇ。容積率規制はインフラストラクチュア上過大な床面積が規制されていると考えるといい。
戦後突然規制解除されて、需要に応じて住宅供給された世田谷区とかは、高密度居住の最低要件である下水道が1980年代になってもない地域がずいぶんあった。そんな場所に下水道を未開発地域と同様の最低限の負担で敷設するまで汲取料金をただにしろという判決が出て、無茶な開発やったら行政が税金で尻拭いすることになったんじゃなかったかな。
F-Plan(ゾーニング)/B-Plan(形態規制)制度の下でより強い規制のかかっているドイツの不動産価格はよほど高いのでしょうね:p

http://business.nikkeibp.co.jp/article/money/20090514/194680/?P=4


(引用者略)日本の都市は、江戸時代から明治時代までは、持ち家というより賃貸的なシステムによって支えられているものでした。家を資産と考えるという発想はありませんでした。

 江戸時代、町民として行政が発言権を認めてたのは道に面して間口を持つ土地持ちだけなんじゃないかな。土地持ちだけが一人前で、店「子」というのは本当に権利も義務も制限された子供扱いだったはずだが。*2間口を持っても義務を果たせなければまさに「うだつが上がらない」という事になる。
 今でも江戸時代的な認識の自治体はある。

竹森 現在、土地は容積率が高いところの方が安全だという話を聞いたことがあります。つまり、容積率が低いと、土地の上にプレハブが載っているだけのようなもので、その不動産の価格は全部土地の価値に従って動くけれども、上にうんと大きな箱を載せておけば、箱自体の価値があるので、その方が土地の価値の影響を受けず、安全だという話です。
 高い建物を建てることによって、投資の収益を土地に影響されないようにするということでしょうか。これだけたくさんスカイスクレーパーができれば、空室の問題が当然、出てくるはずなので、本当に投資として安全なのかどうかは分かりません。

空室/空き屋問題は東京ではバブルの頃から出てるねえ....などなど。


 そもそも地租改正以来、都市の土地の値段がまるで農地みたいに平米あたりいくらというように考えられているというのが間違いのもとな気がしている。
 そう考えるきっかけになったのは学生時代に経済学者がまじめに規制と地価と定住を考えているのを見て、自分も考えたからだな。
 その経済学者の方法や結論が合ってるか間違ってるかに関わらず、感謝してる。でもこの対談はほとんど参考にならないと思った。

妙なコメントつけてすんません>Baatarismさん

*1:たぶん勘違い大杉

*2:はてブを見て追記:大家は家主の代理人じゃなかったっけ?