川喜田二郎氏を悼む

 私も不勉強で、氏の人類学的な成果に触れた経験はなかった。KJ法による整理で多大なお世話になったくち。

 しかし、KJ法は彼の「人の集団に対する調査とその結果の整理方法」のセンスのよさの結果であり、なるほど人類学者というのはすごい、人のプロなんだ、と思った。

 今日、いろんな分野でユーザー参加とか、住民参加とかそういう事が言われているけれど、KJ法やその派生の整理法がなかったら、そんなことが可能だとも思われなかったかもしれない。

 氏の訃報に接して、住宅や建築の品質向上や、都市政策などそこらじゅうで彼の成果が大量に積み上がっているわけで、ナントカ賞の受賞者なんぞよりもはるかにすごい仕事を残した人だという事に気がついた。まるで「ねじを発見した人」のように彼の賞状は町中に溢れているのだから。

 氏の他の成果についても、機会をみつけて理解する事ができたら、と思っている。