最高裁とか東京地裁とか毎日新聞社の人ってみんな義務教育を終えている人たちなんだよねぇ。

http://mainichi.jp/select/jiken/saibanin/news/20091208ddm041040049000c.html

東京地裁で7日始まった裁判員裁判で、裁判員選任手続きへの呼び出し状を送られた候補者の一人が、以前にも別の事件で候補者として同地裁の選任手続きに出向いていたことが分かった。同地裁の今年の裁判員候補者は約2万8000人。今回が8例目の裁判員裁判で、呼び出し状送付対象者は各回80〜100人が抽選されるに過ぎず、2回の「当選」は極めてまれ。

???極めてまれ???

えーと、簡単のために裁判員候補者が30000人いてくじ引き一回につき100人の人が呼び出し状を受け取るとします。

問 8回くじ引きをすることにして、一度も当籤しない確率はどのくらいでしょうか?*1

はい、簡単ですね。毎回の当籤確率は1/300。当籤しない確率は299/300です。
8回とも当籤しないのは(299/300)の8乗で、エクセルによれば0.973642379くらいのようです。
くじをひく人は30000人いますから、一回も当籤しない人数の期待値は29209.3人くらいです。

では、一回だけ当籤する人数の期待値も計算してみましょう。

8回のうち1回を選ぶ選び方は8通りあり、それぞれ(1/300)**2だいたい1人でした。
期待値通りの結果が出たわけですね。

*1:制度の理解が足りないため、誤解にもとづく設問になってます。正しい設問は最後の方に。

*2:299/300)の7乗)の確率で起きますから8*(1/300)*((299/300)ですね......めんどくさくなってきた。 エクセルでは二項分布を計算してくれる関数があって「=BINOMDIST(1,8,(1/300),0)」なんて書くだけで簡単に答えを出してくれます。確率は0.0260532。人数の期待値は781.5人です。あれ、予定していた当選者の数に足りませんね。 一回も当籤しない人と一回だけ当籤する人の期待値の合計は29990.8です。 これで「二回以上当籤する人数の期待値」が計算できます。 30000-29990.8=9.2 つまり、9人くらいの人が二度目の当籤をする事が期待できることになります。 実は、3回当籤する人数の期待値も計算してみると0.06人ですから、3回当籤する人がいても極めてまれでもなんでもないんですね。 むしろ、今回8回の実施で本当に一人しか「二度目の当籤」がなかったとしたら、そっちの方が稀なんではないでしょうか? 以上、中学生でもわかる確率の問題でした。 ところで、最高裁東京地裁で最終的に何回くらいくじ引きするつもりでこの制度を作ったのでしょうか? 仮に30回くらいだとすると「3回当籤は当たり前に起きる事」なのですが。 おっとっと、この記事について書いたブログを見てみましたら、当方に誤認があったようで、一度呼び出された人は候補者から除かれるそうです。ただ、候補者から除かれるのに6週間ほどかかり、その間はくじ引きから除外できないようです。 計算し直し! これまで8月から12月の4ヶ月で8回の裁判員手続が行われました。毎月2回。6週間だと3回のペースです。 つまり、3回のうち2回当籤してしまう期待値を求めればだいたいあうわけですね。 というわけで、3回くじを引くモデルで計算し直して見ると、三回のうち二回当籤してしまう人の期待値は0.9966....((追記:というか299/300になります。