事業腑分け

「えー、膵液をつくって消化を助ける他、血糖値が高くなったらランゲルハンス島からインスリンを出して血糖値を下げる事業です」
『この膵液に含まれてるアミラーゼってやつ、これ、唾液腺でも出てますよね』
「はい、厳密に言うと多少違うのですが、働きは似ています」
『無駄じゃないですか。だいたいランゲルハンス島って、えらそうだけど血糖値下がったら困るんじゃないんですか。一つ一つの細胞からメリットが見えない』
「あーでもー血糖値とか高いままだと腎臓とか目とか弱っちゃうと....」
『血糖値の具体的な基準は?』
「えー、あのー」
インスリン出すと具体的にどうなるの?』
ブドウ糖を細胞が取り込んで脂肪にかえます」
『太るじゃないの。実際どのくらいインシュリン出してるの?』
「毎日出てますが、最近十分出てなくて糖尿気味になってきてます」
『全然出てないじゃない。特定臓器の事ばかりで体全体の役に立ってない。』

『外分泌事業は抜本的に見直し。ランゲルハンス島は廃止』

  • 胸腺

「あー、外部から入ってきた外敵に対処するためにT細胞を再教育して頑張る事業です」
『ずいぶんいろんなものがありますが、こんなにたくさん種類が必要なんですか?』
「あー、はい、いろいろな事態に対応する必要がありまして」
『具体的に対処しなければいけない事態ってどのくらいあるの?』
「こないだ新型インフルエンザと闘ってもらいました」
『他には』
「いや、ある程度うまくいっていて一年を通しては概ね熱も出しません」
『ほとんど仕事してないという事ね。細胞の維持にかなりの経費が使われているようですが』
「そうですねぇ」
『このT細胞、どこから来たんですかねぇ』
「と、いいますと?」
『かなりのT細胞が脊髄脊椎*1由来じゃないかと言ってるんだ』
「あ、そうです」
『中枢からの天下りじゃないか』
「そういうわれると、そういう言い方もありうるかもしれません」
『仕事もしてない天下りの細胞を喰わすために再教育してこんなコストかけてるわけですか』
「そういわれましても、えーと、困ったな、造血幹細胞が偏在していてどうしても体幹に偏らざるを..」
『だいたい侵入してきた細菌とかに対処するのは個々の臓器や組織の問題なんじゃないんですか?体細胞を教育すればいいじゃないですか。』

『事業廃止』

  • 虫垂

『対象外』

*1:ブコメの指摘を受けて修正。