著作者人格権不行使条項の有効性に関係するはずの判決を読んでみた

うーん、すごく申し訳ありませんが、頭がついていってません。まだ小倉先生(http://blog.goo.ne.jp/hwj-ogura/)が結構早くに紹介した判例すら飲み込めてないです。
僕は本当に法律の事が分かっていない、法律をならったのは大学の教養で民法を半年と憲法を半年ならっただけで、2問しかない憲法の試験で、一問をまじめに書いてたらもう一問の「違憲判決についてその効力を中心に論ぜよ」をやる時間がなくて、「違憲な判決は効力を生じない。」と書いたのだが、法律に興味がない人たちの中だったから、それでもけっこういい成績がついた。できなかったほうは未だに答えを用意できないし、一生懸命書いたはずの方はもう問題も忘れた。
 で、あとはずいぶん前に受けた(そしていろんな誤解のもととなった)著作権法セミナーかな、あとは勝手に必要に応じていろんなとこつまんでるだけ。
 結局ぐるぐると引っかかっているのは、「ではほぼ同じ契約で、著作者人格権不行使条項があった場合となかった場合、判決は変わったのだろうか」、ということである。
 僕が読んだ論理の筋は間違ってるかもしれないけれど、条項の有無に関係なく同じ結論が出るように構成されている気がする。ただし、判決文の論旨に現れないところに影響があったのかもしれない、あるいは判決までの時間を短くしたり、長くしたりする事ができたのかもしれない。でも、判決文からイメージしているのは正直言って「3点支持で岩登りをしている人の姿」だ。両足と片手で3点支持しているが、3点のうちどこかがもろくてもやはり体を支えられる態勢で登っている。というわけで、すいません、判例からは結局条項の有効性を検討する事ができませんでした。
 この条項を入れる事によって運営者側にあるメリットってのは判決を左右することではなくて、「少々の事なら訴えられない」程度の安心感だろうという意見はそのまま飲み込めます。
でも、「少々の事」てのは運営者側の都合で決まりにくいです。
 僕の書いた駄文の改行位置を変えても訴えないだろう、でも京極夏彦先生の小説で勝手に改行位置を変えたら多分アウトでしょう。明確な創作意図のもとに改行位置を決めているでしょうから。
 漫画家の作品の独特の駒割りは、実は海外で不法に盗用された時に手がかりになることもあります(原作に対して完全に左右対称のコマの配分とかね)。
 「コマ割りとか、改行位置をかえただけで」なんてのは相手の創作性や意志を勝手にはかった推量でしかないような気がします。どうせ推量が入り込むのなら、有効に機能するためには、「こういう方針でいきます」って意思の表示があった方がいいとも思います(規約の中か外かは別として)。ユーザーも運営側も安心できるのなら、ですが。
商売として考えると、入り口で、最初に同意しなければならない規約は、注意しないとユーザーに敬遠されるもとです。そこで努力しておく事は運営側にとってけっこう大きなメリットがあるような気がします。
#多くの弁護士事務所のwwwでは、依頼の入り口に当たる委任についてずいぶんきちんと説明しておられます。委任が何かわからない事が不安な依頼人が多いということなのではないでしょうか。