初期型プリウスは実にエンスーな車

わくたまさんが車方面にも分岐進出するらしい。
http://www.13hz.jp/2004/12/sti320.html

「5Kgの軽量化の為にレアメタルを使うな」
とおっしゃっているが、私ならこう追加するだろう
「バネ下でやったら褒めてやるのに」

昨日給油したところなので、結構車な気分ではあったはずなので、私の乗っているエンスー車「NHW10プリウス」を紹介しよう。
この車、今でこそ「環境保護主義者のステイタスシンボル」みたいに言われる「プリウス」の初代だが、開発プロジェクト「G21」に課されたのは「21世紀の小型車に求められる性能を備えた車を20世紀中に作ってしまう」というとんでもない難題。そもそも「未来の車を今作れ」という無理難題に技術者たちが挑んだ車である。(ケネディNASAにした要求より無理度が高いと思うがいかが?)
 ハイブリッドの採用は環境性能として当初「同量のガソリンで20世紀の車(=カローラ)の1.5倍の走行距離」などという無茶な要求が「それぐらいなら20世紀にできちゃうぞ、21世紀なんだから2倍」と引き上げられたのと、トルコンでは絶対無理な「シームレスな加速」を両立させるためである。
#実は、ガスタービンエンジン+鉛バッテリーによるハイブリッドトヨタS800(ヨタハチ)というとんでもない車をトヨタはとっくに試作し走行試験している。(のってみてー)
 だから初代プリウストランスアクスルプリウスの変速システムは、通常の車のトランスアクスルに相当する)、にはバッテリ、発電機、制御機構等、高価な材料を惜しみなく注ぎ込んであり、製造時の二酸化炭素排出量は、カローラを遥かに超える!(笑)
 当時の自動車工業会でのトヨタの発表では、初代プリウスの総合的な二酸化炭素排出量が当時のカローラと同等になるのは10・15モードで走行した場合で10万キロメートル走行時!通常の小型車の寿命を超えてからなのだ!e-燃費で計算し直してみたけど実際には15万キロほど走行しなければ追いつけないし、カローラマニュアル車に追いつくためには20万キロ程度は走行しないと駄目だろう(笑)。
 つまり、初代プリウスに限っては、ちっとも環境に優しい車なんかじゃないのだ。
プリウスの魅力はむしろ、旅客機のコックピットにヒントを得たセンターインフォメーションコンソール「EMV」、ドライバーに必要な情報が、ドライバーの視線のあるべき位置に近づけられた「センターメータ」、乗員の腰部を痛めない上半身がほぼ直立した着座姿勢と広い視界の設定(そのために必然的に高い天井と広い窓が要求され、これは明らかに燃費性能を悪化させる。)、ステアリングからの手の移動範囲を考慮したコラムシフトなどの人間工学的な様々なデザインの統合にある。
 そして、その多くは単なる「普通に走れる超低燃費車」としての現行プリウスでは失われてしまった(プラッツやカローラで生きてるけど)。そのかわり、現行車は確かに高い環境性能を持っている。



 で、私がこのようなプリウスのよいところに気がついたのはマイナーチェンジ直後だった。
 基本は貧乏人なので、プラッツに試乗して、シートが気に入り、褒めたら、ディーラーが「プリウスゆずりです」なんて口走ってしまった。
それでプリウスにも乗りたくなって価格を調べたら、なんと新車は高いけど、中古車は「耐久性が不明」だからとんでもない安値(3年経った今と同水準!こみこみで80万円)で乗れるではないか!つーわけで購入したのだった。
 もちろん、燃費追求は公道でも警察の検挙を恐れずにトライできる面白いモータースポーツかもしれないので楽しんでいる(プリウスはドライバーをそういうふうにしつけてしまう車らしい)。ついでにカローラより二酸化炭素排出量が少なかったと言われるくらいまでは乗るつもりだ。