アメリカでプリウスに苦情高速走行中にエンジン停止

落合先生のブログ朝日新聞の記事が紹介されていた。
#気になってコメント欄を汚してしまった。落合先生ごめんなさい。
調子の悪さを反映して修正だらけである。みっともないが、念のため修正記録を残して自戒としたい。
アメリカの公的機関がプリウスのエンジンが高速(56-104km/h)で突然停止する件について33件の苦情があり調査に入るとの事である。
気になるのは現地ニュースでも現地ユーザーサイトでも苦情件数は13件になっていること。
 うーんどういうことだろう、と思って調べてみたら、厳密には別件でした。参考はITmediaエンタープライズhttp://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0505/16/news042.htmlNHTSAがプリウスについての車種別調査結果を公表し、75,000台走行しているプリウスについて寄せられた33件の苦情を調べた結果、すべての苦情が「突然警告(ワーニングランプの点灯等の事だろう)なしにエンジンが止まった」と報告しており、そのうち85%(28台ですね)は55-104km/hの間の速度(おそらくはNHTSAの定義する「高速」の範囲)で発生していて、そのうち約半数ではエンジンが再起動できず牽引車を呼ぶ必要があった(13台なのかな?)とロイターが伝えたという記事につきあたった。日本語の記事はITmediahttp://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/0506/03/news022.html
予備調査結果の公表を調査開始に意訳するとは、朝日新聞は自動翻訳ソフトでも使っているのだろうか?

ここからは私の考察
「高速でのエンジン停止」、であるけれど、現行のプリウスは時速70km/hまでは必要がない場合はエンジンを止める(無駄にガソリンを燃やさない)仕様になっていて、56km/hでエンジン停止する事は全く不思議ではない。問題になるのは70km/h以上で停止したケースである。その場合は状況によっては事故になるだろうし、発電機軸に過大な負荷がかかるため、発電機および発電機/モーターを駆動するインバーターに重大なダメージを受ける可能性がある。
プリウスには高機能なEMVがついていて、システムがエンジンが必要な状況でエンジンが止まっていれば警告が出る。警告なしにエンジンが止まった場合それはシステムがエンジンは必要ないと判断しているか、警告システムが機能していないかどちらかである。
 どうもユーザーは警告なしにエンジンが止まった事に驚いて、エンジンを始動させようと試みたがエンジンが起動しないか、起動してもすぐ停止してしまうので牽引車を呼んだ人が多そうである。(多くの人は再起動可能だったようである。)
 車が異常を起こし、警告システムも不具合だった車もある可能性も否定できないが、それを論じて対策を講じるにはあまりにも数が少なすぎる気がするし、ハイブリッド車の仕組みに起因する固有の問題ではなさそうだ。それよりも、教習所や社会でハイブリッドシステムについての情報が十分得られていない人にハイブリッド車を売る訳だから、消費者への情報提供は通常の車以上に厳密に行う必要があるという点がこの調査結果の示す所だと思う。
追記:もちろんトヨタは努力していると思うけれど、納期待ちが長過ぎてかなり転売されたようだし。
追記2:
13台の方はどうも関連のある別件であるようだ。システムソフトウェアのバグ修正(無償修理処置)がなされていなかったかもしれない13件の走行不能トラブルのクレーム情報が消費者団体に寄せられたようである。突然のシステムダウンなども含まれる。で、この障害についてNHTSAが予備的調査に乗り出し、33件の苦情を調査して上のような結果発表に至ったようである。ただ、クレームが信頼できるか、通常の車に比べて故障率が高いのか、影響の重大さなどを検討して調査拡大が必要かどうか検討するようだ。

ちなみに初期型プリウスには私が知る限り(数千台も知りませんが)ステアリング不能になるトラブルや、部品が壊れて走行不能になるトラブルが複数報告されているが、いずれも通常の故障の範囲としてトヨタ自動車ではリコールの対象にはしていない(ステアリングについてはマイナーチェンジ後のみリコール対象になった。)。75000台について33台のクレームは我が国ではおそらくリコール対象になるレベルではないのだろうとは思う。