落ちた偶像

404特許は「特許としての価値なし」---日亜化学工業が権利放棄へという記事があちこちで紹介されている。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060211/113219/
上記の記事をはじめ、多くの人が中村氏の功績に疑問を呈しているが、大変にあほらしい。

中村氏の人格的な問題や儲かる特許ではないといったことはあるのだろう。また、技術的な課題の明確化が他の研究者によってなされ、それを解決しただけであるという指摘も正しいのかもしれない。あるいは中村氏に科学的な誤りがあったのかもしれない。

でも、混戦レースを制して最初にLEDを青く光らせたのは日亜の中村氏であるという事に変わりはない。
 また、404特許がライセンス先に利用されず、特許料収入を生んでいないというが、この特許の存在によって日亜が競合メーカーにブレーキをかけ、競争を有利に運ぼうとした戦略とその成果に変わりはない。
 日亜が最初にLEDを青く光らせたメーカーでなければ、現在の知名度も業績もあり得ないだろう。

 訴訟の過程で日亜が現在利用しているとする特許を申請する際に、中村氏の残した機材をリバースエンジニアリングした事も明らかにしていたし。(それがどの程度の重要さを持っているかはわからないが、少なくともリバースエンジニアリングがあったというだけで、知的所有権の正当性を疑われてもしょうがない。)

黙って権利放棄すればいいのに記者会見までした日亜も阿呆だと思う。

マスコミも広告収入が欲しいからといって「持ち上げて落とす」のもどうかと思う。
自分の子供は絶対に技術系に進ませたくないと思ったのが唯一の成果か。