生きてる

市街地にたまった熱が空気を暖めて、山沿いをかすめた上昇気流をつくる。
木々の葉は風にあおられて裏返り、白い柔毛に覆われた面をあらわにしている。
山の斜面が白みを帯びて身をよじっているように見える。
頭の後ろのあたりで毛穴が緊張して髪の毛が逆立つような気がする。

ああ、雨が来るな、そう思って外を見ていたら、やがて遠くで雷が廃棄物焼却場の煙突をうがつ。
一瞬空気の流れがとまって、冷たい風が吹き下ろしてきた。
そして、大粒の雨、雨。


こういうの、「俺、生きてるなぁ」って思うんだよなぁ