不寛容

↓こんなんでましたけど、なんかなぁと思った。少なくとも美しくはないと思った。
教育再生会議:親向けに「親学」提言 母乳、芸術鑑賞など(毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070426k0000m010157000c.html

政府の教育再生会議は25日、親に向けた子育て指針である「『親学(おやがく)』に関する緊急提言」の概要をまとめた。子どもを母乳で育てることを呼びかけたり、父親にPTA参加を呼び掛けるなどの内容。政府の有識者会議が家庭生活のマニュアルを示し提言をすることには会議内にも慎重論があるだけに、世論の評価は分かれそうだ。

中略

 「親学」は、親も子育て学習をする必要がある、との認識から一部の保守系有識者が提唱している考え方。子育ての知恵や文化を伝えることが主眼で、再生会議では17日の同会議第2分科会(規範意識)で提言を行う運びとなった。山谷えり子首相補佐官や池田守男座長代理らが概要をまとめた。

 概要では「脳科学では5歳くらいまでに幼児期の原型ができあがる。9歳から14歳くらいに人間としての基礎ができる」と指摘するなど、11項目にわたり具体論を展開。「子守歌を歌う」▽「授乳中はテレビをつけない」▽「早寝早起き朝ご飯」▽「親子で感動する機会を大切にしよう。テレビではなく、演劇など生身の芸術を鑑賞」▽「インターネットや携帯電話の情報に『フィルタリング』を」など、家庭生活のあり方をかなり具体的に記述。子どもの発達段階に応じ「幼児期段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目」を身につけさせるよう呼びかけた。

そしたらやっぱり大臣から見ても出来が悪かったらしい
http://www3.nhk.or.jp/knews/news/2007/05/11/t20070510000283.html&cid=0
子育て提言案 文科相疑問呈す(NHK リンク切れ)

伊吹文部科学大臣は、教育再生関連法案を審議する衆議院特別委員会で、政府の教育再生会議が公表を検討している子育てに関する親の心がけを列挙した提言案について、「提言のようにしたいと思ってもできない人がたくさんおり、あまり感心しない」と述べ、


http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070511AT3S1100S11052007.html
教育再生会議、活発議論促す・首相「物議醸して」(日経新聞

 政府の教育再生会議野依良治座長)は11日の合同分科会で、月内にまとめる第二次報告について協議した。(1)学校教育の再生(2)大学・大学院教育の改革(3)社会総がかりの教育再生(4)教育財政の充実――の4点を柱とし、具体的な改革案を盛り込む方向で大筋一致した。
 安倍晋三首相は会合で「どんどん物議を醸してほしい。(教育論議には)偏見やアレルギーもあるが、恐れずに議論し、アレルギーを持つのは間違っているとわかれば、むしろ冷静な議論が出てくる」と求めた。
 「学校教育の再生」には学力向上策や教育委員会の評価などを盛り込む方針。「社会総がかりの教育再生」では地域ぐるみで子供を育てる方向を明示する。
 当初、親の子育てに対する心構えを緊急提言として発表する予定だったが、委員間の意見の食い違いもあり見送った。

 会議でも疑問が呈されているにもかかわらず、反論を押し切ってとりまとめたそうだから、首相の言う議論とは何かと疑問に思うが....*1
 それとボキャブラリーの貧困。アレルギーがあるのなら忌避するのが正しいのであって、ソバアレルギーの人に蕎麦を進めるのは死ねと言ってるのと同じである。アナフィラキシーショックで血圧が急降下したり死んだりすれば、それは冷静と言えるかもしれないが.....

 母乳云々については我が家のトラウマの一つだ。家庭内でよく話しあって、わかりあっていても私が妻を傷つける事がある。
 娘が生後三ヶ月の時に家は滅茶苦茶になり、24時間以上水も供給されなかった。水道が使えるようになったのは一ヶ月以上後だ。妻はあっさりと母乳が出なくなった。水がなかった事によるストレスのせいか、水分をとれなかった事によるのかはわからない。人間の肉体というのは冷酷なもので、意志や感情を裏切ってあっさりと子を切り捨てる選択をしてしまうこともある。
 ミルクを作る水にも事欠き、パックされた水を理由を話してわけてもらうのにも「母乳が出ればそんな心配いらないのにね」のような呪いの言葉をかけ続けられた。もう議論なんていらないし、母乳主義者とは一切話をするつもりもない。

一国の首相にそれは間違いだと明言されてしまったが、たかが行政府の代表者にすぎない首相にそんな事いわれてもなぁ。

*1:他人事のようにどんどんやれと言っている人も疑問を呈している人も会議メンバーだってあたりが無責任かつどうしようもなく筋が悪い感じですね。