事実と異なる主張に接した時にどうするか

ゆとり教育の導入で文部科学省の調査結果には明らかな学力低下が現れていたが、3年ほどで回復して良好な水準に戻った。
詳細は文部科学省の↓にデータがある。
http://www.nier.go.jp/kaihatsu/katei_h15/index.htm

この事実は何を意味しているかというと、現場の都合も考えずに改革を急げば犠牲はつきものだが、現場の対応ができてみれば、ゆとり教育なりに効果をあげているということではないか。
あるいは、文部科学行政の方法が稚拙であるがために3学年分の貴重な若者が犠牲になったということだろう。
いずれにせよ、学習指導要領の改訂そのものよりも、その導入の仕方に問題がありそうだ。

とりあえずデータはそのような事を示しているなぁと考えていたら、こんな社説が出てた。


http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070528/shc070528000.htm

公立学校の5日制は平成4年9月から月1回で始まり、7年度から月2回、14年度から毎週土曜が休みになった。子供たちが自主的に学ぶ意欲を高めていくねらいだったが、行き過ぎた「ゆとり」で学習量が大幅に減ってしまい、学力低下を招いた。

あらら、前提が事実から乖離しちゃってますよ。

根拠のなさそうな風説っぽいものを流布してるのが誰かと思ったら、「教育再生会議」だそうで......
.........「文部科学行政の方法が稚拙」をさらに推進する組織だからしょうがないのかなぁ。


もちろん、私の方がなんか思い違いをしている可能性もあるのだけれど。
教育についてはコドモを育てているから当事者であって、ある程度は調べたり、考えたりしている。

ゆとり教育の導入後3年ほどは確かに学校(特に先生)が荒れていたが、その後はかなり落ち着いたと思っている。
教師たちは短い授業時間で効果を上げる方法も一生懸命開発して導入して運用している。

そういう姿を見て実感しているから文部科学省のデータは非常に腑に落ちるものがあった。また、教育再生会議の「行き過ぎたゆとり」とは何を意味するのかよくわからない。

少なくとも直近のデータと矛盾した事を言うのだから、きちんと根拠を示してほしい。

正直に言うと私は「堂々と事実と違うように見える事を語る人」に弱い。
自分の思い違いかもしれないし、間違いを指摘したりしたら逆恨みされて殴られるかもしれないし。

もし、事実と異なる事でも言わなければいけない理由が別のところにあれば、その妨害をする事にもなる。

コミュニケーションを継続する意思がぽっきりと折れてしまうのだ。

まだまだ学校とのおつきあいは続くというのに、また3年も荒れた教師とつきあう事になるかもしれない。やだなぁ...とこんなところでつぶやいてみる。