我慢大会のための暖房は二酸化炭素の排出量を増やすのでやめませんか?
環境省の空調28℃設定については
http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20070816/132275/
「オフィスの冷房は28度」の根拠に疑問符
両立問われる省エネと生産性
アンケートで不満を訴える人は6割を超え、米国空調学会が推奨する、「ビル内の不満足者を2割以下とする基準」を大幅に上回る。環境省の状況がいかに就労環境として不適当かが証明された。
とか、いろいろ言われていますが、そんなことで新たな研究を立ち上げる必要なんかないですね。
そもそも労働者の健康と作業環境の気温には密接な関連があるので、学術的に調べられてデータいっぱい蓄積してますよ。25℃を超えると知的労働の生産性の悪化(ミスの増加など)が見られて、28℃では健康被害出るってのは定説として扱われているんじゃないかな。
そういう学術的な成果で労働安全性の基準がとっくにできてるわけです。
建築基準云々言ってますが、空調されたオフィスで働く労働者の作業環境が28℃を超えた場合、労働安全衛生法に触れますので、28℃設定ってのはビル管理上の法的な上限になってるわけですね。で、空調が28℃の空気を吹き出していたり、センサー周りで28℃になっていたとしても、熱源(たとえばノートPC)の近くで働く労働者の作業環境が28℃を超えていた場合は労働安全衛生法上の違法状態となります*1。
まあ、そんなのは人を使う仕事してれば必ず要求される最低限の知識な訳で、ある種の試験区分では2種や地方の公務員試験の出題範囲にも入る常識ですので、今日の話題の前置きにしておきます。
違法行為に手を染めてまで省エネを断行しようとしている環境省ですが、「本当にそれで省エネになっているのか?」ってのが今日の話。
東京管区気象台の7月のデータを見ると、どうみても28℃に達していない時間の方が多いんですね。最高気温が28℃に達したのは月にたった10日だけ。
つまり、
冷房なんぞしなくとも換気だけでもっと涼しい時間の方が多い。
とか、
始業時などには暖房で室内を暖めていた可能性が高い。
ということがわかります。
国民にとって非常に重要なお仕事をやってらっしゃるんでしょう?余分なエネルギーの消費を抑え、ミスを防ぎ生産性を上げましょうよ。おねがいだから。