貴族の心情というのは平民にはわかりにくい

この季節になると、時々貴族様が「孤独だ」とお嘆きになる。勢い余ってゾロアスター教徒に改宗されてしまったりして、びっくりだ。
私のように20台半ばで所帯を持ち、家計簿や給与明細とにらめっこし、時に来るべき出費に怯え、時に生活保護水準を割った収入におののき、つましく生活している平民からは想像もできない。
今年は景気が悪そうなのでクリスマスプレゼントは例年を大きく上回る金額を投入した。まあ、購入しなくちゃと思っていたある程度耐久性のあるものをいくつか踏ん切りをつけたにすぎないのかもしれないが。
平民にふさわしい限度額のクレジットカードが気になって、そんなものともにらめっこする羽目になった。*1

クリスマスケーキは買わない。この季節のケーキ屋は供給力の限界に突き当たっているし、気に入ったケーキ屋があってもマズくてしなびたケーキを食べ幻滅するなんて御免こうむりたいからだ。外食も席が埋まったレストランやビストロで高値に張り付いた素材を使い、いっぱいいっぱいのシェフが調理し、疲れたギャルソンにサーブされてもちっともうれしくない。そば屋や回転寿司は気持ちいいが。

ケーキは山崎の大量生産品のロールケーキ*2にホイップしたクリームをぬりつけてイチゴをちらして出来上がり。ディナーはどうしようと迷っていたのだけれど、昨日スーパーに陳列された大きな丸鶏をオーブンで焼いたらうまかろうとあたりをつけていた。夕刻調達に出向いたら、今からオーブンに入れようという人はいないだろうと考えたのか、店で上々の焼き具合に焼かれていた。価格はほとんど変わらない。かけていただいた手間に感謝しつつ購入して、家のオーブンで少し手を加えてメインにする。あとはちょっと変わった形のパスタを浮かせたシチューと、ちぎって放り込むだけのサラダがあれば立派なクリスマスディナーだ。

このような季節に平民はこのようにして暖かい居場所を用意する。

しかし、やはり貴族様には日頃蓄積した財貨を武器に、勇猛果敢に戦に出向いてほしい。並み居る強敵をばったばったとかきわけ血路をひらき、他に用途のないデート専用高級車を乗り回し、混雑や法外な価格をものともせずクリスマスディナーを喰らい、干支が一回り以上したビンテージのワインを飲み、プレミア価格のホテルに泊まり、スプリングのきいたベッドの上で濃厚な時間を惜しみなくおくってほしい。

そうでなくてどうしてこの国の経済が回るというのだ。

出会いがすくないとかいう言い訳は許しません。私のようないい加減なプロフ*3や日記書いているだけのmixiユーザーでもちゃんとメッセージやらマイミク申請やら来ますしね。*4

なんといってもあなた方は貴族なのですから。>yano様

*1:高速道路のETCレーンでネガチェックに引っかかったら、生命の危機でもある。

*2:季節的な問題ではあるのだが、冷凍スポンジ生地や、ケーキ屋のスポンジがロールケーキの品質に追いつかないのはかなり無念だ。

*3:自分の顔写真とか載せてない

*4:何故だかわからないけど。いわゆるサクラとか、そういう人たちではなく、ふつうのmixiユーザーさんみたいです。