農業って家業なんですか?
またまたすなふきんさんの気になるエントリ
http://d.hatena.ne.jp/sunafukin99/20080520/1211237611
都市居住者としてはなかなか地方の実態が把握できないのであまり無責任なことは言えないのだが。いずれにしても、家業の継承などに拘るより個人の将来を優先できるような方法を考えないことには先行き八方塞じゃないだろうか。
農業ってそんなに家業なのかなぁ。
そんなに八方塞がりなのかなぁ。
自分の知ってる範囲内で見回すと儲かるからやってるんだろうと思える人の方が多いんですけどね。もちろん儲からないけど趣味でやってるって人もいるんだけど。
日本の農地は465万haあるらしい。
農地改革時の耕地面積は500万haくらいだったみたいだ。農地改革の開放農地は200万haくらいだったらしい。小規模自作農によって、世帯がその世帯の所有する農地を耕す形式って、戦後作ったもので、代々受け継ぐような歴史的な農業って継続してないんじゃないかな。西日本は自作農の割合が高かったみたいだけど。
農村を根底から覆すような大改革をして、その結果こうなってる。この150年ほどは世代を超えて農村が安定してた時代なんてなさそうだし、戦前だって激変*1してた。
集落営農で集団で営農している耕地面積は50万haくらいで、年率10%くらいの伸びになってる。集落規模では手はあまってるので農業人口の減少傾向は変わらないだろうけど、実際に農業人口が減って農業従事者一人当たり収入が増加すれば人を雇う話にもなってくるんじゃないかな。年間400万円払えるようになればある程度長距離の自動車通勤の人だって雇えるようになるだろう。
もちろん脱落する所は出てくるし、農村人口は減っていくだろう。耕作放棄もある程度出るだろう。
でも成長や創意工夫の余地がないわけでも技術革新がないわけでもない。
中山間で厳しい地域でも実際稼いでる人はちゃんと稼いでるし。結構な大手企業に努めてた息子が技術者なんてやってても、じり貧だからといってやめて親の農地で農業してるのも実は珍しくない。
田舎に進出した大企業の工場の栄枯盛衰みてると、農業の方がまだ安定してるように見えるんじゃないかと思うけどなぁ。
この手の話で個人的に注目してるデータは
http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2003/10.htm
の空き家率。
pdfのurlはhttp://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2003/pdf/15-1.pdf
人が地縁とか家制度とかとほかの効用とを比較してどう動いてるか、それなりにわかる気がするんですよ。
空き家率で見ると佐賀県が全国で一番低いんだよね。起伏に富んだ山梨、長野、和歌山が空き家率高い。ある程度の流動性はあるように思えるし、営農のしやすさはやはり重要なファクターなんじゃないだろうか。
東京はうまくいってるように見えて、空き家率は全国平均程度なんですよね。*2
すなふきんさんは
都市の場合はまだ雇用の流動化が可能で土地の有効活用などの余地もある
とおっしゃってるけど、大都市圏レベルで全国平均+1%の空き家率の京阪神どうすんのかってすでに結構ヤヴァイ状態だと思うんですが。