東京の高密度化が効率がいいかどうかについてちと思った事

容積率を緩和したらハッピーみたいな事を言う人がいるけど、例えば超高層なんて結構不便だよ。高さ方向の距離は水平方向の距離に比べて大きい効果を持つって事くらいは理解しておいた方が良い。
 高さ方向が大変なんてすごく当たり前で、日常生活でみんな知ってる事なんだけどね。でも、東京都庁が複数の建物に分かれてて不便だから一カ所にまとめようって話で超高層ツインタワーを選択しちゃったりする*1ナンセンスもあたりまえにあるわけだな。
 駅横の高層マンションは駅徒歩五分の一戸建てと利便性ではあまり差がないし、駅横の超高層なら駅徒歩10-20分*2くらいに相当すると考えればだいたいあってる。ちなみに駅横の超高層は容積率500%くらいでたってて、駅横の高層マンションは400%くらいの所にある感じだと思う。
 超高層のメリットは高密度化よりも、間に隙間をあける事にあるとおもうのだけど。

 そんな事よりも問題なのは敷地に容積率つけても実際には利用できない事の方じゃないかな。バブル時代の地上げ*3にしろ、国有地高値入札*4の問題にしろ、敷地の統合コストが高すぎる事のあらわれだと思うけどねぇ。さらに、ha単位の広い敷地が高値で売れれば取引実績にもとづいて平米単価にひきなおして、たかだか100平米のペンシルビルも建たない敷地にも高値がつくわけね。

 さらに我が国の資産課税は土地に甘く建物に厳しい制度になっていて、超高層なんかに住んでると徒歩10分相当離れた場所まで自分でゴミ出しにいかなきゃならんのに、近所の一戸建てより固定資産税が高くつく。しかも高さを乗り越えるためのエレベータなどの設備は傷んでいくのに取得時の価格で廃棄まで課税される。

 容積率緩和なんて問題にする前に低密度利用に誘導するような税制を改めなきゃ話にならんだろうと思うのだが。

*1:追記:わかりにくかったかな? 徒歩10分の範囲の中層に分散してたものを徒歩30分離れた2カ所に集約(分断)したわけね。

*2:設備の水準で大きく変わる

*3:リスクをとって無理矢理にでも敷地を統合する

*4:まとまった土地の入札に周辺地価の取引実績の二倍とかの札が入る