不景気の光景

 同世代で集まっていたのだけれど、製造業の一時帰休が増えて仕事が忙しくなった人が多いらしい。
どうして忙しいのかというと、一時帰休前に前倒しで納品したり作業が完了するように求められるからだそうだ。納品は前倒しだけど、支払いの方は遅くなるそうで、日本の製造業と言うのはかなり高飛車な商売のようだ。
 で、一方で一時帰休の始まってる側の製造業の人は、休みなんかない状態で休日出勤のくりかえしらしい。彼の仕事では設備への投資が抑制されていて、不景気で受注量が減っていても日中だけの稼働では受注の半分もこなせない状態。だからいまだに残業が規制値を超えないようにするのがぎりぎりで、休みがほしいなんてなかなか言い出せない状態が続いている。会社全体では売り上げが減って赤字だから、その部門も一時帰休しろとか、さらに設備投資を削るとか、そういう話が出てきていて「ふざけるな」と言い返しているところらしい。これは私の想像だけれど、これまで見ていた多くの人のケースでは、減棒とサービス残業のセットを飲まされるのかもしれないな、と思う。
 この15年間に及ぶ不景気で、正社員的な立場で「仕事が少なくなった」人をほとんど見かけないんだよね。給料が減ろうが増えようが、どんどん時間を持っていかれてる人ばかり。正社員の非正規雇用に対する待遇の良さみたいな事を言われる事があるけど、正社員サイドだって労働条件はものすごく悪化しているのだと思う。
 売り上げが減って給与カットが累積して20%にもなるのだったら、週休3日にしてもいいだろうと思う。だけど、みんなそうはなっていなくて、仕事が減った分以上に*1正社員を減らしている。だから給料は減るのに要求される仕事は全然減っていない。減給の不満が表面化しないのは、多分子育てや自己実現のために金銭を消費する時間すらないから、お金が足りない事もないからだろう。

追記:
クビになってない正社員の中限定では、給料は下がるけど仕事が休みになる人は実は勝ち組なんじゃないかなぁ。

*1:クビと新規採用抑制で