ゴルフ場陥没転落事故現場をネット画像で見る

フェアウェイに大穴が開いて、転落事故があったとのこと。
当該ゴルフ場を検索してみると、Googleは秋ないし春の、Yahooは夏の画像だ。

氷食地形のなだらかな丘。

現場となったカスケードコース8番ホールフェアウェイを探す。古い河道を利用したと思われる池の一団のうち、L字型に屈曲した遊水池の横か。

コースは西南西→東北東のようで、フェアウェイは向かって左が山手、右が池。

左の山手側は切り土、フェアウェイにかかるあたりで盛り土という地盤工になるようだ。

芝は、長く水に浸ると枯れるので、水に浸りやすい部位が生育が悪く、排水不良と冠水を理解する助けになる。特に芝の品種が交代する時期の画像ではあきらかになる。

切り土の斜面を下ってきた水がフェアウェイに集中するあたりには水たまりができやすいのか、芝の発育が悪くなって空中写真では模様がよく見える。

池側は、結構複雑。古い地形の谷を埋めた所は排水が良く、尾根を切った部分は透水性が足りないらしく、尾根部が排水不良で枯れているように思える。

こうした傾向の中で、斜面を下ってきた水が集中しているにもかかわらず、芝生が青青としている場所を見つける。
ラフかもしれないが、水の流れる池側は尾根地形で二股に、山側も二股に分かれてX字になっている。

切り土法面上ですら、流水の影響で枯れている部位があるのに、これは不自然だなぁ。あるいは著しく品種の交代の時期がずれているか.....

夏の画像を見直すと、切盛境界に沿って芝の生育が異常に良い部分が線になっている事がわかる。他のホールからの水も含めて大量の水が集中してここ(X字)で染み込んで伏流水になるのはまちがいない。

透水性の高い盛り土の深い部分に集中して粒径の小さい成分を洗い去ったんだろうか。粒度分布が不適だったか、転圧不足か.....あるいは切盛境界に帯水しやすく、冬期に凍結して氷ができ、気温が上がると流出する事を繰り返したかもしれない。

あたりをつけて、ニュース映像で穴のあいた位置を確認できる物がないかと検索したら、NNNがヘリ空撮を含むニュースを配信していた。水抜けの良い緑のX字パートから池側に30〜40mの地点らしい。

だとすると、一見透水性不足で冠水して枯れているように見えたのは、地盤の喪失で乾燥して枯れているのか。
排水勾配がとれない場所でもなさそうだし、そう考えた方が自然かもしれない。

事故が起きてから後付けであれば、問題箇所のあたりがある程度はつく。
もっと良く芝と対話できればこういう事故が未然に防げるようになる可能性はないのだろうか、と少し思った。