プリウスでないとどんな感じなんだろう。

http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20080402#p4
↑の補遺。
プリウスの走行コストは、再掲すると、

1Lで走れる距離を20kmとして、そこでかかるコストを考えると、
ガソリン代(1Lで20km)150円
タイヤ代(2万キロで6万円)60円
整備代(2万キロで10万円)100円
オイル代(6000キロで3000円)40円
車両代(20万キロで250万円)250円
ここまで合計 600円

うち暫定税率相当額25円(4.1%)
ただし、車両代は前のオーナーが払った新車の代金で、私が20万キロまで走るとして計算した。

やっぱプリウスって特殊な車だから、普通の人についても知りたいよね。
過去の自分の実績にもとづいて今のガソリン代で考えると、

ガソリン代(1Lで15km)200円
タイヤ代(2万キロで6万円)60円
整備代(2万キロで10万円)100円
オイル代(6000キロで3000円)40円
車両代(10万キロで100万円)200円
 合計 600円

うち暫定税率相当額33円(5.5%)
総額では同じくらいですが、率はちょっと上昇。

まあ、普通の乗用車で、15km/Lってのは私が異常なのかも。
そこで、ちょっと同じくらいの収入なのかなーな人の言動と行動から走行コストを試算してみた。

ガソリン代(1Lで8km)375円
タイヤ代(2万キロで6万円)60円
整備代(2万キロで10万円)100円
オイル代(6000キロで3000円)40円
車両代(10万キロで200万円)400円
 合計 975円
うち暫定税率相当額62.5円(6.4%)

ま、それほど大きな差はないと思うけど、走行コストに占める暫定税率部分の割合は1.5倍になってるわけね。

ガソリンスタンドの在庫だけを問題にしている人が多いけど....

http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20080402#p3の補遺
ガソリン税は「蔵出し」時点で課税されると言われるので誤解が多いのかもしれない。
ガソリン税は製造所を出る時に課税されるので、三月末時点で全国各地の油槽所、貨車の中、タンクローリーの中のガソリンといったガソリンの「蔵」すべてには暫定税率で課税されたガソリンが入ってる。
ガソリンの輸送体制は脆弱なもので、タンクローリーは高速道路の長大トンネルでは走行禁止。過去に武蔵野線が不通になった時には北関東でかなりの供給不足を生じたらしい。

 ガソリンスタンドが四月一日になんとか値下げして、三月末の売り上げ不振をカバーするためには、製油所にガソリンをとりにいかなければならないし、それは油槽所ではなく、製油所から輸送されなければならない。
石油元売りとディーラーは三月末にはなんとかして油槽所の在庫を0に近づけようとし、四月末には満タンにしなければならない。

そのうえ、
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200804010024a.nwc

 元売り各社も、品切れという最悪の事態を防ぐため、タンクローリーの配送体制など準備に追われた。

 各社では、1日以降の配送については、これまでの巡回配送から事前に申し込みを受け付ける方式に変更。1日分については、3月28〜29日に締め切ったが、ジャパンエナジーでは配送能力の1・6倍、出光興産でも1・3倍の注文が殺到しているという。

という状況である。

かくして、4月1日0時を回った瞬間に製油所→ガソリンスタンドの異常な長距離ルートで日常の配送能力の数割多い需要に応えるという「危険物の大量輸送」が行われ、全国民がリスクにさらされた事になる。*1

ひっくり返ったのが一台で、火災が発生せずにすんだのは関係者の努力と苦労の賜物だと思うのだが、なぜそのような苦労を彼らに強いたのかを考えると、非常にむなしいものがある。

そういうわけで、官房長官の談話は心より腹立たしいニュースだったと思う。

*1:これが安全にさばけるのなら、我が国に油槽所はいらない事になると思う。