HONDAのfitハイブリッドに期待する(その1 普通の車)

ホンダがfitのハイブリッドを発売するそうである。
火曜日の日経新聞の朝刊で読んで「おぉっ!」と思って、id:prepreさんよりも先にブログに書こうと思った。(だけど負けたw。http://d.hatena.ne.jp/prepre/20060222#1140582634

これはすごい事なのである。
何がすごいと言って、これまでの「ハイブリッド車は普通の車じゃない」という流れに対して「普通の車をハイブリッドにしてしまえ」って事だから。
 ここでいう「普通の車」ってのは例えばfitだったり、Vitzだったり、プロボックスだったりアベニールだったりする商用車や、田舎のおかーちゃんが買い物に行くのに使ってる車たちである。

 思えば最初の市販ハイブリッド車であるプリウス初期型は「未来の普通の車はこうなる」というコンセプトで車をつくる「G21プロジェクト」から生まれた。最初からハイブリッドを構想していたのではない。通常の車(トヨタだから当然比較対象はカローラ)の1.5倍の10-15モード燃費を目指して開発してたら、上から「2倍を目指せ」という命令があって、パッケージだけでなく駆動系を根底から見直してハイブリッドにたどりついたということのようだ。

 だから、初期型プリウスに一番似ている現行車は、カローラだったりする。他にG21の遺伝子が色濃く入った車としてはプラッツがあるかな。

 ところが、ハイブリッドの駆動系はコストが高い。初期型の5ナンバーサイズの車体に搭載して車格相応の値段にすると、利益がでない。利益がでない事は続けられない。だから、初期型の系統を一旦打ち切り、全面改良でWish系の車体にハイブリッドをのせた新型プリウスを出したのだった。トヨタにしてみれば、「これが普通になるんです」と言いたいだろうが、個人的見解は「普通の車にハイブリッドをあきらめたの?」だったりする。
(というわけで無駄無駄無駄無駄!なんて叫ぶ奴も出てくる...)

 一方のホンダもインサイトはとんがり方の一種としての「ハイブリッドスポーツ」というエンスー指向の車だ。横展開第一号はシビックハイブリッドで、これは比較的に普通の車に搭載されている。しかし、あまり人気がないのか実は見た事がない。ディーラーにハイブリッド車の話をするとセールスの顔が曇るという噂もある(メーカーもディーラーも儲からないらしいということらしい)。

 そこにきてfitにハイブリッドですよ。fitですよ、300万円の車とかじゃない訳ですよ。はい。
fitにハイブリッドをのせる。すばらしいじゃないですか。
 基幹部品が「数さえ出ればローコスト化できる」見込みが出来てないとそんな事は言えません。
 プリウスでは例えばハイブリッドの基幹部品の一つであるインバーターの部品代は初期型で45万円くらいだったのが、現行型では15万円くらいになっている。(原価だと初期型20万、現行型7万くらいか?)部品代を1/3まで圧縮してもカローラクラスにはのせられない。
さらに半分にしないといけないのだ。

 fitハイブリッド、これを成功させるためには、メーカーとしてハイブリッドに本腰を入れないといけない。一種の背水の陣でもあると思う。
(つづく)