広辞苑的意味でのデマゴギー

民衆の煽動が虚偽の情報によるかどうかはともかく、広辞苑ではデマをデマゴギーの略として「事実と反する煽動的な宣伝。悪宣伝。」の意味だとしている。
なんだか煽動目的で変な事を言い出す人が多くて困っちゃいますね。
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200605260024.html

「ニワトリより卵が先」 英学者らが「結論」

なんでもニワトリの遺伝子を最初に備えたのは卵だから、ということなのですが....

ちょっと想像すればわかる事だけど、その遺伝学者の言う「最初のニワトリ(卵)」が遺伝的に変わり過ぎていてつがう相手がいなかったら、当然絶滅する。つがう事が出来るのなら元の種に埋没する。
というわけでこの学者のモデルは極めて簡単に3秒も考える前に崩壊するヨタ話なわけです。*1

進化論を弾圧している国の企業らしい話ですが、単なる宣伝が目的のはずですから「学者が集まって」なんて権威付けをせず、酒場の酔っぱらいが結論づけたとかにしてほしいですね。
.......それとも進化論の弾圧が目的なんだろうか.....




一方で厚生労働省の研究班は「医師の需給に関する検討会」で

全国の医師数は2015年ごろから、必要とされる人数を上回ることが29日、厚生労働省研究班の推計で分かった。

だそうである。
(引用元はhttp://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060530AT1G2902Z29052006.html
で、その推計の根拠ってのが「1984-2002年の患者数を基にすると必要な医師数は28万人、このまま医師数がのびると2015年に必要数をこえてやがては32万人くらいで安定する」って事なんだが.........
 この推計は、省をあげて主張している「高齢化が進んで健康保険が財政を圧迫する」ってのと徹底的に矛盾しています。厚生労働省が省を上げてデマゴギーを流布してて、この検討会はそれに反して「1990年レベル以上に高齢化が進展する事はない」と考えているのか、あるいは「高齢化しても医師が必要にはならない」と考えているのでしょうか、それとも、厚生労働省の一部反体制派が何らかの理由で主流派に叛旗を翻すべく民衆の支持をえようと真実だろうと嘘だろうとなりふりかまわず......
 いずれも考えにくいですね。それとも日経新聞が虚偽情報を流してる?

......ひょっとして、研究会に顔をそろえた選りすぐりの学識経験者は酔っぱらっていたのでしょうか?
なんでこんなもんが新聞に出てるのかすごく不思議な気がしました。

*1:普通の進化論なら、「元のグループの一部が元のグループのニッチと環境が異なるニッチに隔離されて、元のグループと異なる競争条件の下に置かれ、長い時間をかけて、元の種とまじわらないほど独自の進化をとげる」ってモデルをおいて考えますね。ニワトリに関して言えば、もともとは野鳥だったんだろうけれど、人間がつかまえて元のグループと違う環境において隔離し、人間の都合がいい個体を選別して残してきて成立したグループなんだから、最初に捕まったのが卵をとってきたのか、親鳥を捕ってきたのかで結論づければいいんでないかと思う。どっちでもいいけど。