エレベーター不具合の個別事象の分析とリスク評価-その2-

毎日新聞と読売新聞では事故の伝え方が全く違うという事に遅まきながら気がついた。
毎日新聞記事では
同じ事故と思われるのが「ドアが開いたまま」と言うのが付け加わっている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060614-00000029-mai-soci
0)ドア閉鎖なしにエレベータが上昇
1)エレベーターが最上階を行き過ぎた
2)最上階フロアの50cm上でエレベーターが衝撃吸収装置によって停止した
3)エレベーターの扉が開かなかった
4)エレベーターから自力で乗客が脱出した
って事だったようだ。

0)ドア閉鎖なしにエレベータが上昇
重要度:A
(安全機構が有効に動作していない)
1)エレベーターが最上階を行き過ぎた
重要度:C
2)最上階フロアの50cm上でエレベーターが衝撃吸収装置によって停止した
重要度:A
(2段階の安全機構のうち1段階目が動作していない)
3)エレベーターの扉が開かなかった
重要度:E
4)エレベーターから自力で乗客が脱出した
重要度:A
となる。

事故後の点検がシンドラー社によるものなのか、そうでないのかが曖昧だが......

で、制御盤の交換で対応したが直らなかったようだ。
0と2の事象に共通する安全装置の構成要素は制御盤ではなく、「ブレーキ」だと思う。(これは想像に過ぎないのだけれど、最上階行き過ぎ非常停止スイッチにかごが到達した時に必要な動作は「ブレーキ電源を落とす」ことであって、複雑な制御はない方が信頼性が高いからだ。)