不動産バブルはあったと思うよ

http://bewaad.com/20061114.html#p01
bewaadさんいわく

なぜバブルが発生したのかといえば、それを潰したから

私は土地についてはそうは思いません。
当時の東急不動産作成の土地取引価格情報を分析すると
 関東の私鉄沿線の住宅地では、平米単価をp、都市計画上の容積率をr、ターミナル駅から現地までの所要時間(バス、徒歩を含む)をt、ターミナル駅周辺の住宅地の地価をP0、容積率をR0として、
 pr=P0*R0-Ct (Cは私鉄路線ごとに異なる定数)
なる数式がR^2=0.98程度で成立していました。
 沿線には利便性の差異がおおいにあるどころか、土地所有者の負担なしでは下水道も道路も通せない場所(典型的には当時の世田谷区)が随所にあるにも関わらず。
当時都銀の京都の支店に勤務していた先輩は某電気メーカーの設備投資にお金を貸す時に、最終的に担保になるのは企業の持つ土地と経営者の個人資産だと明言していました。

製造業の利潤のために妥当な設備投資をするにも土地又は多額のリスクプレミアム利息のいずれかが必要であるとか、潤沢に供給される通貨を分配する機能が正常に働かず、土地に流入していった事や、土地であれば実際に使用する際の費用負担などを考慮しない最大価値の価格で流通し、かろうじて容積率だけが価格を支配しているという状態が観測されていたのです。

潤沢な通貨供給がバブルの原因だったとは言いませんが、潰さなければ潰れないような頑健な状態でもなかったと思います。

追記:
私は図書館通いとLotus1-2-3でわかるレベルの分析をしてみただけだが、残念ながら当時こういう事実を発表したりはしていない。(インターネットはあったけど、ブログやトラックバックはなかったし。ごく少数の人しか使ってなかった)従って、少なくとも「bewaadさんが不勉強だ」とは思わない。

追記2:
今日でも、融資における銀行の基本的態度は変わっていないように見える。その証拠に、3000万円の担保不動産取得に2700万円のローンを組んでも、300万円のローンを組んでも、原則同額の利払いを要求される。

追記3:
不動産バブルはつぶさなくても潰れたし、一定の信用縮小が発生する事は避けられなかったと仮定しても、「派手につぶしてやれ」という政策は影響を大きくするだけであって、政策としてバブルつぶしは失敗したのだと思います。