建築基準ってもんの意味が変わった事をどうとらえるか

bewaad氏に釣られたけどエントリの主題から外れるんで、こっちで。
http://bewaad.com/2007/06/25/180/

耐震偽装にしても、一定の加速度の地震に遭った際に壊れる確率を低く偽ったというものですから、そもそも地震が起こらなければ偽装かどうかが試される機会がありませんし、地震に直面して壊れたから偽装、壊れなかったから正確な表示とも限りません。その道のプロであっても見ただけではわからず、きちんと裏を取るには設計図等を基に構造計算をしなければならないわけです。

ちゃんとした建物を設計しようとしてる場合は、意匠やってる人が構造的に保つように考えて、構造屋さんが確認してるだけだったよ。
 つまり、見た感じ保つ様にプロが考えて、構造屋さんがチェックして、さらに建築審査受けてた。今の法律のシステムでもそういう二重のチェック機構として構造やさんが関与する事を想定している。
 で、見ただけでは穴がある可能性はあったけど、だいたい見た感じで保つ様に作ってた。(意匠屋さんが構造考える時っておもろいよ。「ええっと、この面では平米あたり○○kgの荷重に耐えなきゃいけないって事は....平米あたり小錦二人か...」とか。結果的に余裕があるものしか建てられませんが。)
 電鉄系マンションなんて土木屋さんが見て保つ様に考えて作ってたから建築基準の変更でも大部分は仕様の変更がいらないくらい頑丈なものが結構建ってた。

 バブルの途中くらいから、法規制ぎりぎりの「建築として最低のもの*1」を作るために構造屋さんを使うようになった。
 
 で、結果的に建築審査が「最初にして最後の砦」になっちまったところを民営化で内堀も埋めたわけですね。

*1:自動車でいうと、保安基準を満たす最低の車ばっかり作り始めた。