国会の良心ってどこにあるんだろう?

首相とか、社会保険庁の管理職とかが賞与の一部を返納する動きがあるらしい。
悪いけど、現役の今回の賞与の返納でなんとかなるものじゃないだろうと思う。
今噴出してるのは15年とか20年間とか、もっともっとの蓄積の結果だから。
私はこの沢山のミスの蓄積の原因は、わりと簡単だと理解している。
原因として考えているのは年金制度は「普通の人」だけを対象にして運用されてきたって事だ。

 最初に国民年金加入を断られたのは、大学院在学中に加入義務が生じて、市役所に自ら出向いた時だ。市役所では、20から22歳の居住者に対する加入手続事務で手一杯で、そういう普通じゃない人の事務は「国から委任された内容にない。」ので出来ないとの事だった。4年制大学在学中に加入義務が発生した人の対応を最優先で行うよう指示され、一般の「自発的な」加入申込にも(3号被保険者や厚生年金からの移転など、やむを得ず急ぐ場合を除き)対応できていないとの話だった。
 だから私には一年間の未加入期間がある。

 次に結婚してぷーたろーだった時に、配偶者が厚生年金加入者だったので3号被保険者の手続きに行った。そしたら、厚生省から指示された事務手順では「サラリーマンの妻」である事を確認できないと3号被保険者になれないことになっていて、少なくとも「妻」である事を確認できないと加入を認められないというではないか.....市役所窓口から上位の担当部署、さらに地方事務官から厚生省に問い合わせてもらったらしいが「確かに法律や規則では厚生年金保険加入者の配偶者が第3号被保険者になれると書いてあるが、特定個人のために事務手続きを曲げる事は平等原則に照らして許されない」ので「OLの配偶者」の第3号は認められない。そういう普通じゃない事には役所は対応できないとのことだった。(結局、このときは時効前に保険料を払い込んだので未払い期間は発生してない。)
 このようにして、多数の人、普通の人だけのために年金制度は運用されてきたのである。
 引越をするのは普通じゃない、中途退職するのは普通じゃない。こういう「○○は普通じゃない」が25年分とか40年分とか積もれば、普通じゃないのが普通になる。ミスは蓄積していくからだ。長い人生普通じゃない事もいくつか経験するのが普通だ。


 つまり私から見た場合
「その場その場で普通の人だけに対応し続けた結果、普通の人の年金記録は間違ってる」
なんて事になってても全然不思議じゃない。

では、何故救済措置が特別措置法なんだろう?
金保険料を負担したにもかかわらず、会社のミスなり、役所のミスなりのために、年金を減額されたり、支給されないというのはひどいと思う。
でも、法律で、5年を時効とすると決められている以上、役所でどうしようもなくても仕方ないじゃないか。

もし5年時効が非人間的だというのなら5年時効を規定している条文を改正すべきではないのか?

 ミスなんてモノは減らす事は出来ても0にはならない。国会としては年金不払いの被害者となる人が「普通でなくなれば」それで済むと考えているようにしか思えない。

もし条文に瑕疵がないと本気で信じているのなら、堂々と踏み倒せ!

つくづく今の国会には「カネくばれば票になる」以上の理念を感じない。