官房長官談話をどう受け止めたか。

ロイターのインタビュー記事のウェブ魚拓*1
http://megalodon.jp/?url=http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-27698720070903&date=20070904122631

──秋から税制改正論議が始まる。消費税の税率引き上げを訴える声もあるが。

 「国の財政と個人の財政の違いというのは、個人の財政は借りすぎると金融会社からストップがかかる。自然のブレーキがかかるのが家計。ところが、国の信用は見かけは無限大であり、自然と財政規律を取り戻すようなブレーキがきかない。気がつくと大インフレになっていて国の財政が破綻するということになる。そういうことに陥らないように国民によく説明すべき」

 「(税の議論は)どういう国をめざすかということが大事。高福祉、高負担という北欧型でいくのか、米型の低福祉・低負担でいくのかという、どういう世界をどういう国をめざしているのかというのが出発点。税制の問題は、その後に相談しなければいけないことと思っている。ただ、国のかたちをめざす時に議論を複雑にしているのは、少子高齢化や人口が減っていくという問題であり、結構、複雑な方程式になってしまう」

 「(国の財政は)今のままでも何年かはもつ。人様は何年かは国にお金を貸してくれるでしょう。しかし、これが10年、20年、本当にそうした状況が続くのか。今の1.5%から2.0%の間を動いている長期金利が本当に長い年月続くのか、こういう構造問題を議論し、考えなければいけない。消費税を議論すると選挙に有利、不利ということではなく、日本の財政構造の問題は世界の経済にも影響を与える。そういうことも含めた幅広く、かつ高い次元にたった議論をしてほしい」

 ──経済成長と税制が財政再建の車の両輪といっているが、具体策は。

 「数字だけの遊びであれば、例えば名目成長率15%という想定で計算すれば日本の財政はあっという間に解決する。ただ、国民の生活にとって物価が安定していることはとても大事だ。名目成長率を上げれば、確かに財政には寄与する。しかし、名目成長率をあげていけばいいというインフレ政策、悪魔的な政策は国民には迷惑な話だろうと思う。やはり地道にやっていくしかない」

 「名目成長率を上げるためには、実質成長率を上げなければいけない。口で言うのは簡単だが、日本のように成長しきった国が背丈を伸ばしていくのは簡単なことではない。しかし、国際競争力を失いたくない。新経済成長戦略は日本の豊かさを維持するためにどうしてもやっていかなければいけない政策の一つ。経済が成長すれば、一定の弾性値を持って税収は上がっていく。車の車輪の一つであり、インフレをめざさなくても大事なことだ」

 「一方で、財政を再建しないと、いずれクラウディングアウトが起きる。民間が使うべきお金を政府が使うことで、急に長期金利が上がってしまう。長期金利が上がれば、設備投資意欲は衰え、借金の返済も苦労し、日本の経済にとって決していいことは起きない。経済にとっても、健全な財政規律を維持していくことは大事なこと。そういう意味で、車の両輪という言葉を使っており、これは小泉純一郎首相、安倍晋三首相、新改造内閣において一貫して貫かれている思想と理解している」

 ──経済成長の具体策は。

 「一時的に有効需要を増やすことでは経済は成長をしない。効率化・合理化が最も遅れているのがサービス産業。サービス産業分野の生産性を上げることは心してやっていかなければならない。もう一つは、技術力、新製品開発力。本当に力となる分野で地道な努力を積み重ねていく。これは日本にしかできない分野を維持し、つくりあげていく間断なき努力が必要だと思っている。ただ、幻の成長では困る。土台のしっかりした成長をめざすべき」

結局やることは「年金財源確保と国債返済のための増税」「デフレ持続」っつーことで、経済成長とかの期待が持てなそうな事はいろんな識者が語っているのでいまさらおいらがなんとか言う事ではないんだけどね。

現行の年金制度ってのはごく単純化すると、働いている人から税をとって高齢者に渡すわけだから、世帯構成員の年齢が高ければ高いほど有利になる所得移転システムなんだよね。
で、今からさらに増税して年金維持と経済規模&政府予算規模の縮小をしていくとなると、「世帯の平均年齢を上げること」にさらに強いインセンティブを与える事になる。

経済規模をふくらますこともなく、政府債務の相対的規模を大きくして、少子化を促進するわけだ。

この政策で15年やったあとで破綻するよりは、今デフォルトする方がずっとマシな気がするのだが。


土台をしっかりするために土台の下を掘るような話ですね。

*1:svnseedsさん(http://d.hatena.ne.jp/svnseeds/20070905#p1)経由で知りました