内務省化する総務省?

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071016-00000021-mai-pol

 総務省は16日、ジェットコースターなど遊戯施設の安全確保を徹底するよう国土交通省に勧告した。大阪府吹田市エキスポランドで5月に起きたコースター死傷事故を受け、44都道府県にある遊園地72カ所を対象に総務省が調査。安全対策が徹底されていないとして勧告に踏み切った。
 監査では、事故後に国交省自治体を通じて緊急点検を求めたにもかかわらず、7園9施設で点検漏れが判明。この3年半に起きた事故83件のうち56件は事業者から自治体に報告がなく、負傷事故についても20件のうち7件が未報告など、ずさんな管理・監督実態が明らかになった。
 勧告書は、施設を監督する都道府県や市町村の側に、遊戯施設に関する専門性が不足していると指摘。また、自治体が事業者から定期検査の報告を受ける過程で民間の検査法人が介在し、検査結果の把握や責任の所在をあいまいにしているとした。

国交省の管轄って建築基準法的な意味でしかないよなぁ....事故防止って観点だと自治体マター→総務省マターって事なのかもしれないけど。
 総務省は施設の点検をどういう法的根拠でやったんだろう?
都道府県や市町村の側に、遊戯施設に関する専門性が不足していると指摘。」って、一つとして同じものがないような遊戯施設の安全対策の責任は基本的に設置運転するものの責任だろうと思うのだが.......ウォータースライダーの専門家が国交省にいるとでも?遊園地のそれぞれの遊戯施設の専門家を官公庁に配置するなんてのは遊戯施設管理者という特定業種へのサービスに過ぎないでしょ。
 「ずさんな管理・監督実態が明らかになった。」って、定期検査の報告が自治体に上がってても、どの程度予防効果があるのか疑問だし、事故があった時でさえ活用できるのかどうか.....少なくとも公務員の人件費を使って役に立たない可能性がある事業に従事させるのは行政の肥大化を招くだけだろう。
 「責任の所在があいまい」ってのも、どうなんだろう。耐震偽装事件やエレベータ事故の経緯を見る限り、行政の監督があればあるほど、明確な責任者である「工事の施主」*1、「建築物/工作物の管理者」*2の責任をあいまいにしてきたと思うのだが。*3
 全般にみると、総務省が「内国民の安全に全面的に責任をもつ」旧内務省の匂いを放っている気がする。そういう事なら自前で規制する方法を考えた方がいいのではないか。

*1:耐震偽装ではヒューザーなど

*2:エレベータ事故の場合は品川区長

*3:委託先に不法行為があるので、気の毒ではあるが、責任者というのはそういう事である。少なくとも「私も被害者」的な態度で発言をすることは許されないはずだ。