失敗を乗り越えないと評価できない

建築着工が激減している。国土交通省が建築確認を厳格化したせいだとマスコミは責めているけれど、分譲マンションの在庫期間がとても長くなっていた事を考えると、これ幸いと着工を遅らせる業者もあるだろう。
そんな不景気な話の中で、わくたまさんが柱も梁もない新構造のマンションを紹介していた。
http://blog-tech.rikunabi-next.yahoo.co.jp/blog/wakutama/632
(うーん、トラバ送った方がいいんだろうか、悩み中)
建設会社による説明は↓
http://www.kajima.co.jp/news/press/200709/27a1-j.htm

使い勝手のよさを強調しているけど、画期的なコストダウンという側面が大きそうな建築だ。

厳格になった事だし、震度6くらいまでの想定内の地震に耐えるかどうかの検査には通るのだろう。

でも、もし免震に天然ゴムを使っていたとしたら、10年くらいで寿命が来るわけで、どうやってメンテナンスするんだろう。

でも、別に地震の震度は厳格に6までに収まるわけじゃない。直下の地盤が安定していても、柏崎刈羽原発は重力加速度を越える揺れを記録したのだ。じゃ、この建物が限界を超えて揺さぶられた時にはどんな壊れ方をするのだろうか、柱や梁が出っ張ってないから、スラブと壁がぺったりと密着しちゃうんじゃないか?

でも、.......いくらでも不安の種は尽きない気がする。

エンパイアステートビルは飛行機の衝突を想定せずに建てられたけど、B-52爆撃機に突っ込まれても崩壊しなかったし、その事故を参考にして、航空機衝突に耐える設計を採用した世界貿易センターのツインタワーは崩壊した。

設計を信頼しすぎても不幸だが、所詮未来の予想なんてそんなもんだと割り切って使っていくしかないのかもしれない。
何世紀かかるかは知らないが、失敗が忘れられずに積み重なればそのうちまともになるんだろう。いくつも失敗を経ている枯れた技術と、新しい技術、選べる立場ならば、どっちもあった方がいいのだろう。