間接部門の落日

http://bewaad.com/2007/11/24/342/

政府のそのような役割は、企業であれば広報、財務、法務、といった間接(管理)部門に相当するもの、とwebmasterは考えます。第一線で働いている営業等の担当者からは、そうした間接部門の存在は忌み嫌われるものです。すなわち、あいつらがいるから余計な仕事が増える、奴らは我々の足を引っ張ることしか考えていない、等々。しかし、世の中の企業がそうした部門を抱えているということは、結局のところそれらの存在が企業全体の生産性を高めているということに他なりません‐もし全体の生産性を低めているなら、そうした部門を持たない企業が現れ、競争に打ち勝っていくでしょうから。

うーん、バブル期くらいから間接部門がかけていたコストや責任を直接部門につけるのが普通になってきてませんかね。
知り合いに聞いてみても入社した頃は会計の仕分は経理部門の仕事だったけど、今は直接部門は労働時間の一割ぐらいは経理の仕分けしてて、それは部門の責任になると言っていたし。

 ネタになってる大学の先生なんか、昔から大学にいる時間の半分くらいは間接部門の仕事してた気がするけど、独法化してからは直接部門として研究してるのは週に半日とかいう先生多いんじゃないかなぁ。あとは間接部門の仕事してるよ。
 それでも僕の大学時代は優秀な間接部門職員は取り合いになってた。それが直接部門の成果に直結するからね。
 団塊の世代より上の古い先生は助教授ともなれば書生の2、3人は養ってた*1時代を知っていて、自分がそうならなかったのも知っていたし。

 官僚が嫌われてるのは、大学の直接部門の人を出入り業者扱いしていて「お客様は神様です」*2しなさいと多分暗然と要求しているからだと思うんだけどな。確かに文科省から大学にお金は流れるけど、大学関係窓口の官僚なんぞ大学相手の間接サービス事業者にすぎないし。

 国家公務員も地方公務員も民間の慣行になく法的根拠がないから昼食以外に休憩時間があってはいけないとか、総務省が通達出してるけど、直接部門では事故防止のために休憩をとった方がよいなんて場合はいくらでもある。*3
 で、民間では企業の間接部門が「そういうのいちいち説明すんのがめんどくさいからやりたければ直接部門の人が責任を負って下さいね」って言ってるって事なんだね。

 耐震偽装事件でもエレベータ事故でも直接部門に怒りが行ってるけど、被害者から見た法的な責任者は販売不動産会社や建物管理者(区長)であって姉歯氏やシンドラー社じゃ全然ないよ。
 まず責任を引き受けるのが仕事のはずの部門が、責任を引き受けないで他所に押し付けるのが仕事になってるってのは間接部門としてなりたってないじゃない。*4

 日本の間接部門って自分たちが何をしているか何が成果なのかはっきりしないので、要求が少しでもあればものすごく仕事が増えるんだと思いますよ。成果の関数にほとんど0の定数がかかってる感じ。

*1:間接部門としての仕事はかなりの部分決裁だけだった

*2:全般にそういうの嫌いですけど。

*3:官民問わずウエイトレスだって窓口の人だって、定期的に強制リセット入れた方が接客の質が良いとか、現場で職人を一斉に休ませないと労災増えるなんてすげー当たり前なんですけど。民間の間接部門と間接部門中の間接部門である総務省がお話ししてるからこういうアホな事を真顔で言えるんでしょうね。

*4:まず責任を引き受けなければ、責任を追及する主体になれないでしょ。何被害者面してんだよって思う。