救急医療はなんとかなるのか

奈良県の事件などから、救急医療の問題がいろいろ上がっている。上がっているけど、現状の批判も、改善の提案も、いい意見はあまりみない。なんか先行きがくらい気がする。

事故で私が救急搬送された事は既に書いた。*1
記事を読んでいただければ、事故と救急搬送の日付が6月18日で、入院日は6月22日、手術日が6月23日である事はおわかりいただけると思う。
 この間私は何をしていたか。全く支えのなくなった腕をかかえ、経口の鎮痛剤*2で痛みに耐え。ベッドと手術室の空きを待っていたのだ*3
 警察も入院してもいない人の回復を待つ事はしない。翌日には事情聴取のため、所轄警察署への任意出頭を求められた。担当の警察官が大変理解のある方で、自ら出頭しなかった事が不利な記録にならぬよう、手間をかけて、自宅の近くに「出頭」する形を整えてくれたので、大変助かったが、これは配慮であって、警察が常にそのような配慮が許される、あるいは許すかと言うとそんなことはないだろう。

 確かに命に関わる事はなさそうに見えるが、入院が不要だったわけではない。最優先でベッドを確保する努力をしてもらい、ベッド開き次第即入院。手術室の予約がとれず、複数の執刀医師が時間外まで待機して、夕方から長時間の手術を実施した。

 雨が降れば事故は集中する。当たり前の事だ。ベッドの稼働率が80%以上もあって手術室の使用率が高ければ、雨の休日に多発した事故を、命に関わる順に捌くのに一週間くらいかかっても別におかしくないのだ。患者はどんどん退院し、どんどん待機中の患者が入院し続けていた。

 この病院はこの春、病棟の1/8を閉鎖した。

こんな経験するとね。

*1:http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20060709#p1

*2:通常の病院で処方される頭痛薬と同じものだ

*3:追記:即手術はできないそうである。炎症がおさまらないと手術がうまくいかないから、理想的には入院させて炎症を点滴の薬で押さえ込んで、経過を見て手術へ、だそうで。