バターない

今年もホワイトデーにはいつもの店で買ったクッキーを贈った。余剰分を試食したら、若干以前よりも風味が貧弱になった気がする。ひょっとすると、バター変えた?と思ったのでエントリ。

業務用バターが半年ほど品薄だったのだが、とうとう消費者向け製品も欠品が続くようになった。でもどこへ行っても「当店平常価格」は大して変わってない。店によっては安売り対象にまでなってる。もちろん開店直後のレースに参加して勝利しない限りは商品を目にする事は出来ないので、本当に安売りのバターが存在するかどうかは確かめてない。見たのはチラシと値札だけだが。

 本来は価格が上がって、より強くバターを求めている人がバターを入手し、あまり欲しくない人と、代替手段を持ってる人はバターを買わなくなり、値段が上がりすぎたらバター製造に投資が起きて、価格が安定するのが市場の役割なんだが、デフレの間にそういう機能が死んでたらしい。

 そういえば、震災の後の神戸で、大学生が「小麦粉を水で溶いて焼いた簡素な食品を高い値段で売った」として大学全体の教授会の総意で退学処分になったのを思い出した。「タダでくばるべき時に金儲けをした悪質な行為だった」と言うのだ。

 震災のとき、タダで配るべきものはある。全員に行き渡るべきものでお金を徴収する手間をかけてもしょうがないものだ。避難所にはそういう形で食糧が届けられる。
 大学生が提供したのはそういうものではない。食事が十分にある時なら捨てられてしまうような粗末な食事だ。しかし、それを必要とする人は高値をつけても売り切れる程度にはたくさんいた。そして、必要としない人もたくさんいた。

 その大学生が高値で祖末な食事を提供してる横*1で、同じように行き渡るには不十分な量のまずい食事をタダで提供してた所には、暇で自分たち以外に守る人のいない高齢者が何時間もならんで、「まずい」と言って路上に食べ物を捨ててたんだよね。本当に食事が緊急に必要な人は、そんなところにならんでらんないから。

 必要なものが足りない時に、本当に必要な人の手に渡るためには、値段は高くならなきゃいけないと思うんだけどね。他のものも品不足がいろいろあるのだけど、欠品ばかりで値段が上がらないなぁ。

追記:
半年も品薄状態を続けても、全然値上げしてなかったんだね。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080315-00000017-fsi-ind

 雪印乳業は14日、家庭用のバター、国産ナチュラルチーズとお土産向け商品の計26品目を5月1日から、8〜10%値上げすると発表した。飼料価格の高騰で、4月からバター用生乳価格が9%、チーズ向けが24%引き上げられることが理由。バターの値上げは1982年以来26年ぶり。国産ナチュラルチーズの値上げは初めて。

つまり、生産量や商品の価値に応じた価格をつける事ができてなくて、輸入穀物の値段が上がって生産者が逃げ出しそうだから値上げするって事なのかな。

今の需給状況なら20%くらい上げられると思うんだけどなぁ。

*1:とはいえ10kmくらいは離れているな