何のための震度か

http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200806190312.html

 気象庁が速報する震度が最近、被害実態と合わなくなっているという指摘が専門家から相次いでいる。阪神大震災では震度6で3割程度の木造家屋が全壊したとみられるが、岩手・宮城内陸地震の全半壊は1%に満たない。気象庁は将来の見直しを見据えて被害分析を進めている。

んーどのぐらい揺れが強かったかが計りたいんだよね。
で、地震観測網が整備されたから、地震の加速度を基準に揺れ方の指標になおした。

同じ揺れ方でも、重心の高いものと低いものでは高いものの方が倒れやすよね。
つまり、雪の重みに耐えなければいけない北陸や鳥取の家屋と、北上の家屋の倒壊率を比較しても揺れ方の検討にはならない。

震度階級解説表では「耐震性の低い木造住宅では、倒壊が多い」とされる。

 耐震性の低い木造住宅の割合は地域によって全然違うって事。

気象庁の計算式では今回のように短周期の地震波の場合、数字が大きめに出る傾向があるという。「『6強』でも大丈夫と思われたら、耐震化も進まない。システムを改めるべきだ」と話す。

震度は建築被害の指標ではないよね。
阪神で7に耐えた木造に住んでるうちの親戚は安心して耐震化しなくていいの?それ変じゃない?
そもそも現地の建築物の耐震性に問題があったかどうか検討する時間があったようには思えない。阪神の時は、筋交いを省略した木造がボコボコ倒れていたが。
岩手県は国産/輸入ともに東日本有数の木材加工基地であり、筋交いをケチらなかっただけかもしれない。被害調査を待ってから言うべきかな。

 旧来の震度は気象台周辺や地域全体の状況を見て(少なくとも多数のサンプルを見て)決めていたけど、今は特定の地盤上の特定の地震計のデータだからサンプリングに問題はあるよね。
 でも、どうせ被害調査しないとわかんないのなら、今のやり方でよくて、地震被害の程度をはかるわかりやすい震度と別の指標をつくるといいんじゃないかな。

 あーだこーだ言うけど、阪神の時には多くの地震計が1000ガルまでしか測れなかった(ので振り切れた)んだから、進んで来ていることは間違いないと思う。