違法建築を議院が建築しようとする国

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008070400964

参議院の清水台議員宿舎千代田区)に隣接する緑地への新宿舎建設に反対する近隣住民らが求めた工事差し止めの仮処分について、東京地裁の石橋俊一裁判官は4日までに、却下する決定をした。決定は6月23日付。
 石橋裁判官は、予定地は都条例で知事との事前協議が必要とされる風致地区内にあり、協議が不調のため未着工の状態が1年余続いていると指摘。今後も国側が工事を強行する恐れは認められないとした。

風致地区都市計画法にもとづいて、地方自治体条例の定める建築規制がかかっている地区である。
参考:
http://www.kensetsu.metro.tokyo.jp/kouen/fuuti/index.html

条例で定められた基準を満たす場合、自治体に許可を求めて建物を建てる事ができる。
また、基準を満たさない場合でも、要件を満たしている(十分な代替措置をとるなど、風致地区としての価値を上げるような建築計画など)ときは協議によって義務の引き受けとひきかえに規制基準の緩和をうけることができる。

ところが、参議院は要件に全くかからない開発計画(建築規制がかかった敷地いっぱいに高さ規制をはるかに超える建物を建築し、代替措置は一切とらない)を提出して東京都に協議を求めているので、協議がなりたつ余地はないように見える。
 言い換えれば、「違法建築に目をつぶって下さい」と東京都に要請しているわけだ。

 議院とはいえ、ここまで法律を踏みにじろうとする団体が「工事を強行する恐れは認められない」とはとても思えないのだがどうなんだろう。