衛星打ち上げられない国

 手塚治虫のマンガで、「人工衛星を打ち上げられる国力をもたれると困るから、日本の人工衛星を外国のスパイが妨害する」みたいなのがあったなぁ。
 人工衛星を打ち上げられる国は、たぶんICBMを作るだけのロケット技術と制御技術を持っていると思われてもしょうがない。
http://d.hatena.ne.jp/bewaad/20080706/p1
ひまわりの陰で

確かに気象衛星がなくなるかもしれないというのは重大な問題ではあるのでしょうけれども、報道のトーンやはてなブックマークでの反応を見ても見落としているのでは、と思われてならないのが航空機管制の問題。
日本の空が過密状態で管制官が激務である、とはよく知られた話(ちょっと前の日航ニアミス事故の控訴審での管制官逆転有罪判決を機にあれこれ語られていたように記憶しています)。そんな中で航空管制機能が失われるとは、航空管制実務にはまったくの素人なのでwebmasterにはよくわかりませんが、少なくともそれで航空管制の効率性が程度はともあれ損なわれるのは否めないはず。

Wikipedia見ると答えがわかるよ*1

ひまわり6号(MTSAT-1R(Replacement))
* 重量:約1,600kg
* 全長:約33m
* 設計寿命:気象観測5年、航空管制10年
ひまわり7号(MTSAT-2)
* 重量:約2,400kg
* 全長:約30m
* 設計寿命:気象観測5年、航空管制10年[3]

気象観測衛星としての寿命が航空管制衛星としての寿命の半分しかないんだよね。だから航空管制に穴はあかない予定。バックアップが一台あるわけだし運輸部門は「空港特会つかって税金の無駄遣いっていわれたくないよ」って言ってるんだね。

http://d.hatena.ne.jp/kumakuma1967/20080411/p1
↑で衛星を運用する能力がすでにない事は書いたけど、日本政府には衛星を打ち上げ続けて国際的な役割*2を果たしていけるだけの能力はないって事なんじゃないかな。

衛星を打ち上げられなくなるって事は、国際的に国力が落ちたって見られるんだろうね。

*1:http://ja.wikipedia.org/wiki/ひまわり_(気象衛星)  たぶんきれいにリンクされないと思うので、コピペして下さい。

*2:たとえば気象観測網など