終わりの始まりと始まりの終わり

 アメリカで「中長期的(50年スケール超)において温暖化に対応する必要性があるのか」という科学の分野での議論に決着がついた*1のが1988年だと思う。そうでなければIPCCなんか発足できない。そこからアメリカ政府も世界に先駆けて「温暖化の影響評価」を行った。
 マスコミとか、経済学者の人とかまるで「1988年から突然に議論が始まった」みたいな言い方をする人が多くて困る。「温暖化を前提にした論文が査読を通りやすくなった」のは事実だけれど、それは「温暖化論争が一応終わった」からだ。
 温暖化そのものについての研究は1988年以降は確実さの向上と検証に向けられている。

*1:というより、事の重大さ故にアメリカ上院が急がせて決着をつけた