プリウスの値上げは3%で十分か?
http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20080904AT1D030B603092008.html
トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」の受注台数が、9月1日の値上げ直前に急増していたことが分かった。全国の主要ディーラーの中には、8月30、 31日の2日間の受注台数が平均月間販売台数に迫るケースもあった。燃費性能に優れるプリウスは納車まで2、3カ月待ちの人気車種。値上げ幅は主力グレードで7万円を超えるため、駆け込み需要が生じたようだ。
先月末、値上げ前の駆け込み需要でトヨタが各ディーラーにプリウスの受注数を割り当て、それを超える受注を断るように指示してるという噂が耳に入った。記事では販売促進で売れたようだという書き方になっているが、実際には受注制限だったと私も見ている。
2003年型プリウスの発売時の受注から納車までの期間は半年くらいだったかと思うが、それが2、3ヶ月に短縮されてたらしい。しかし、国内でもラインの増設をし、2005年に中国での生産を開始しても納車待ちの列がそれほど短くなってない。発売以降作れば作るだけ売れている車だから、価格を上げない事には待ち行列はおさまらないだろう。
お客さんを待たせるって事は、それだけ機会費用を払わせると言う事で、お客さんがそう思わなくても、値上げと一緒だと思うんだけど。ずっとライン増設追いついてないのに、なんで五年間も値上げしてないのさ。
ライン増設が進まなかった理由の一つは、国内ラインのCプラットフォーム*1からMプラットフォーム*2へのシフトをやっちゃってる事がある。トヨタ的には日本国内でしか売れないCなんかやめちゃって北米で売れてるMにシフトするつもりらしい。*3
2010年には開店休業状態の大型SUV工場を改装してアメリカでも生産開始するらしい。だとすると、次期プラットフォームはやはりCプラットフォームではなくて、M系コンパクトのMCプラットフォーム*4採用だろうか。
生産体制の切替にしろ、新車の開発にしろ、どっちにしろコストがかかる要因はたくさんある。だったら待ち行列の長さに合わせて値段あげといて、在庫が大きくなった時に値引きすればいいでしょ。あるいはレクサスなプリウスを作って、50万高いけど待たずに買えるとかさ。ダンピングと顧客の機会費用使って競争するってあまりイメージよくない。
ま、C系でギリギリまで膨らませたボディの2003プリウスも魅力を感じなかったけど、試乗だけはしてみた。でも、M系プリウスなんて出ても試乗すらしないだろうな。B系をギリギリまで拡張した系列のもすげー苦しいし。
今のトヨタで魅力的なのはビッツ*5と国内向けカローラ、重くて燃費悪くてどんくさいのを我慢するならエスティマハイブリッド*6ってところか。