政府が非正規雇用者の事をわかってないって?

http://diamond.jp/series/tsujihiro/10056/
“派遣切り”の加速は、企業の本質を理解できない政府の自業自得だ

 経営者は、従業員の実質解雇に対する忌避感と罪悪感を喪失してしまったかのようだ。雇用に手をつけるのは最後の経営手段である、という躊躇はなくなった。

 最大の問題は、彼らにとっての合理性を最大限に追求する産業界の要望を政府がこれまで全面的に受け入れ、雇用の規制緩和一辺倒で応じてきたことだろう。振り返れば、一定の歯止めをかけることなく、あまりにクビを切りやすい条件を整えてきた。労働政策が国家政策であるという意識を持たず、産業界が主導する規制改革会議にその方向性の決定を委ねてきた咎めは大きい。

 例えば、企業が派遣社員雇用契約期限が切れる前に公然と切ってしまうのは、雇用契約書のなかに期限前解雇を許容するように読める条文を入れられるように規制緩和をしたからである。

 どうかなぁ?10年以上前に公立保育園にコドモを預けた時には、40歳以上の保育士は公務員だったけど、あとは非正規雇用だったように思う。そして、年長の保育士がやめるたびに非正規雇用にかわっていった。いまじゃ公立私立問わず非正規雇用だらけ。役所の窓口とかでまだ公務員で回せてる場所ってそんなにない気がするんだけど。予算の都合やなんちゃらやなんやかやで、どんどん切られたり採用されたり、当然給料も安い。
 事務部門だって、新規採用できないからどんどん非正規雇用に切り替わってるよ。役所の方が民間よりずっと早く非正規雇用への切替が進んでた気がする。バブルの頃には何割かいたし、今じゃパッと見過半数が非正規雇用なんて、窓口でも図書館でも保育園でもぜーんぜん珍しくない。
 中央省庁でも高卒の国家公務員なんかとらないで、臨時職員とか使ってるでしょ。民間が厳しく規制されてた時代にも、ずーっと非正規雇用者を都合よく使ってたのが政府部門だよ。
 ただ、警察、学校、消防という公務員の一番集中している所ではそれほど非正規雇用者が目立たなかったかもしれない。
 それも変わりつつある。

http://mainichi.jp/select/today/news/20081218k0000m040163000c.html

教育予算:小中学校への非常勤講師配置 1万4千人に

 政府は17日、文部科学省が09年度予算編成で要求している公立小中学校への非常勤講師配置について、約1万4000人を認める方針を固めた。08年度に配置していた7000人を倍増させ、新学習指導要領で授業時間が増える理数教育への対応などに充てる。教職員定数増は1500人の要求に対し800人を認める。私学助成は前年度比1%減とする方向で調整している。

ケタがちがうでしょ。一万四千人も非正規雇用しますって計画だよ。

人を人とも思わない事*1にかけては、役所*2ははるかに民間の先をいってると思うよ。だから民間に強くいえないんじゃないかな。

追記参考記事:
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2008122000253

総務省によると、2007年7月時点で各省庁に在籍する事務補助の非常勤職員は2万1260人。非常勤扱いではあるが、実際は大半が常勤で働く。近年、各省庁は定数削減の影響で、非常勤職員への業務依存を高めている。

追記の追記:
上の記事に出てくる「非常勤」は、普通の派遣さんや請負さんのような身分の安定した期限付きの非正規雇用じゃなくて、「実態は常勤なのに日雇いで事務作業に従事している人」のことだと思います。

*1:心情的に抵抗をおぼえてもぐっと飲み込む事かもしれない

*2:の雇用してるのは「国民」や「市民」の代表ですな。